つらい生理痛は「月経困難症」という病気かも

つらい生理痛は「月経困難症」という病気かも

つらい生理痛は「月経困難症」という病気かも

2021.07.19

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生理痛があるのは当たり前だと考えている人が少なくありませんが、生理のたびに強い痛みなどの症状が現れている場合は、月経困難症という病気の可能性があります。背景に別の病気が潜んでいる危険もあるため、一度は専門医に相談することが勧められます。

症状が重く、日常生活に支障をきたすことも

月経困難症の代表的な症状は、下腹部の強い痛みと腰痛です。さらに、お腹の張り、頭痛、吐き気、下痢、食欲不振といった症状を伴うほか、疲労感や脱力感、イライラ、憂うつといった症状を訴える人もいます。

市販の鎮痛薬で痛みが緩和される場合も多いのですが、なかには日常生活に支障をきたしてしまうほど症状が重いケースもあります。

タイプにより原因が異なる

月経困難症は、その原因により、機能性月経困難症と器質性月経困難症という2つのタイプに分けられます。

機能性月経困難症は、痛みの原因となる病気が認められないものをいいます。生理開始から1~2日目に、ギューッと絞られるような痛みが周期的に現れるのが特徴です。生理中は、子宮内膜でつくられるプロスタグランジンという物質が働き、子宮を収縮させ、はがれ落ちた子宮内膜を経血として体外に押し出します。子宮の出口が狭かったり、プロスタグランジンの分泌量が多くなると、子宮や血管、腸管が過剰に収縮し、生理痛の主な原因となります。機能性月経困難症は10歳代から20歳代前半の若い女性に多くみられますが、通常は体の成熟とともに症状は治まります。

一方、器質性月経困難症は子宮や卵巣の病気が原因でおこるもので、代表的なものとして子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫があげられます。

痛みは、生理中ずっと続くのが特徴です。器質性月経困難症は20歳代後半以降に多く、加齢とともに増加する傾向があります。

機能性月経困難症と診断されても、若い世代は要注意

機能性月経困難症で、日常生活に支障をきたすほど症状が重い場合は、我慢せずにきちんと治療を受けましょう。痛みに対しては非ステロイド性抗炎症薬などの鎮痛薬を用いるほか、必要に応じて、漢方薬や子宮収縮抑制薬、抗不安薬などを併用する場合もあります。

器質性月経困難症は自然治癒することはないので、原因となっている病気の治療を行うことが必要です。早めに婦人科を受診しましょう。

一点、若い世代で注意が必要なことがあります。それは、機能性月経困難症と診断され、鎮痛薬を2~3年間使っても生理痛が続く場合は、初期の子宮内膜症を発症している可能性があるということです。

実は、初期の子宮内膜症は画像検査では発見することができず、見逃されている可能性があるのです。少しでも不安な症状がある場合は、早めに専門医に相談しましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)