片手スマホは危険!? 親指が痛む「ドケルバン病」に要注意
片手スマホは危険!? 親指が痛む「ドケルバン病」に要注意
2021.04.05広告
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ドケルバン病とは、親指の付け根や手首に痛みを感じる病気で、スマートフォンを片手で操作することも原因の1つと考えられています。放置すると日常生活に支障をきたす可能性もあるため、痛みや違和感を覚えたら早めに専門医に相談しましょう。
腱と腱鞘がこすれ合い、炎症が起こる
ドケルバン病は腱鞘炎(けんしょうえん)の一種で、親指を動かしたときなどに、親指の付け根や手首にピリッとした痛みを感じるのが特徴です。
手首の親指側には細いひものような形をした2本の腱があり、これらが腕の筋肉と連動することにより、親指を伸ばしたり、広げたりといった動きを担っています。そして、この2本の腱は、トンネル状の腱鞘の中を通っています。親指を使いすぎると、腱と腱鞘は頻繁にこすれ合うこととなり、やがて炎症が起こります。これがドケルバン病です。
妊娠出産期・更年期の女性、糖尿病の人も要注意
ドケルバン病は、親指を頻繁に使う人に多くみられます。具体的には、パソコンのキーボード操作を行う人、ラケットを使うスポーツ(テニス、ゴルフなど)をする人、楽器演奏(ギター、ピアノなど)をする人などです。また、最近では、スマートフォンを片手で持ち、親指だけで操作することも大きな原因と考えられています。
そのほか、妊娠出産期の女性、更年期の女性、糖尿病の人も発症しやすいといわれています。
ドケルバン病かどうかは、アイヒホフ・テストというチェック方法で調べることができます。親指を中に入れて握りこぶしをつくり、そのまま手を小指の方に倒します。痛くてこの動作ができない場合は、ドケルバン病が疑われます。
手に負担をかけない動作を心掛けて
ドケルバン病の治療は、手首・親指の安静と、薬物療法が基本となります。消炎鎮痛薬を湿布、または塗布し、炎症を鎮めることにより痛みを抑えます。消炎鎮痛薬で症状が改善しない場合は、患部の腱鞘内にステロイド薬を注射します。注射による治療効果は高いのですが、副作用が出る場合もあるため、医師によく相談しましょう。
薬物療法で改善しない場合や再発を繰り返す場合は、手術が検討されます。手術は、腱への圧迫を取り除くために腱鞘を切り開くというものですが、この手術により手全体の動きに影響を及ぼすことはありません。
ドケルバン病の発症や再発を予防するには、日ごろから親指や手首に負担をかけないような動作を心掛けることです。パソコン操作、スポーツ、楽器演奏などは長時間やり続けることは避け、少なくとも1時間につき10分間は休憩しましょう。また、スマートフォンは両手で操作するクセをつけることも大切です。