長引く腰痛の改善には、安静より適度な運動を
長引く腰痛の改善には、安静より適度な運動を
2021.01.25広告
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かつては、腰痛のときは安静にしたほうがよいと考えられていましたが、現在では危険な腰痛を除き、なるべく体を動かしたほうが回復が早くなることがわかっています。また、ストレスも腰痛を長引かせる原因になるため、上手に解消することが大切です。
ウオーキングなどの全身運動が痛みの軽減に有効
腰痛には、原因が特定できる腰痛と、原因がはっきりしない腰痛の2つのタイプがあります。前者の代表的なものとして、椎間板(ついかんばん)ヘルニアや脊柱管狭窄症(せきちゅうかんこうさくしょう)などの病気が原因で起こる腰痛があります。
こうした原因が特定できる腰痛は全体の15%程度で、残りの約85%を占めるのは原因がはっきりしない腰痛です。3カ月以上痛みが続く慢性腰痛も原因がはっきりしないものに含まれます。
腰痛に悩む人は、痛みが悪化しないようにできるだけ安静にしようと考えがちです。しかし、現在は多少の痛みがあってもなるべく体を動かしたほうが、回復が早くなることがわかっています。
とくに慢性腰痛に有効なのが、ウオーキングなどの全身運動です。無理なくできる程度の運動を1回につき20分間行い、これを週2回、1カ月ほど続けると、痛みが軽減するとされています。
また、ぎっくり腰の場合も、痛みが強いときを除いては、できるだけ普段どおりの生活をし、適度に体を動かしたほうが回復が早くなります。
不安や恐怖がストレスになり、痛みを長引かせることも
慢性腰痛でもう一つ注意しなければならないのが、精神的要因が大きく関係しているということです。通常、痛みの信号が脳に伝わると、脳内で痛みを感じにくくする物質(セロトニン、ノルアドレナリンなど)が分泌され、痛みが和らぎます。
ところが、腰痛に対する不安や恐怖が強すぎると、それがストレスとなります。ストレスがあるとこれらの物質の分泌量が減少してしまうため、痛みを強く感じるようになります。すると、その痛みが新たなストレスとなり、さらに腰痛が長引いてしまうという悪循環に陥ります。
神経質になりすぎず、気持ちはおおらかに
こうした悪循環を断ち切るためには、考え方のクセを見直すことが大切です。痛みを完全になくすことに必死になってしまうと、そのことがかえってストレスとなり逆効果です。
「多少の痛みがあっても大丈夫」とおおらかにとらえ、普段どおりの生活を続けるようにしましょう。そうして痛みと上手につきあいながら、活動の幅が広がると、それが大きな自信となり、ストレスも軽減されます。
また、腰痛のことばかりに意識が向かないよう、できるだけ自分が楽しめる時間をもつことも心がけましょう。