アトピー性皮膚炎、どうケアする?
アトピー性皮膚炎、どうケアする?
2020.10.05広告
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長期にわたり、つらい症状に悩まされている人も少なくないアトピー性皮膚炎。症状を少しでもやわらげ、改善させるためにも、スキンケアを含めた治療の基本を知っておきましょう。
体質的要因に環境要因が重なることで発症
アトピー性皮膚炎は、皮膚に強いかゆみを伴う湿疹ができる病気で、よくなったり悪くなったりと、慢性の経過をとるのが特徴です。遺伝による体質的な要因に、さまざまな環境要因が重なることで発症すると考えられています。
環境要因には、食べ物、汗、衣服との摩擦などによる刺激、アレルゲン(ハウスダスト、ダニ、花粉など原因となる物質)、皮膚の乾燥、睡眠不足、ストレス、疲れなどがあります。このうち、何が発症要因、あるいは悪化要因になるかは個人差があり、また、同じ人であっても季節や環境により変化する場合があります。
アトピー性皮膚炎というと子どもの病気と思われがちですが、近年は大人のアトピー性皮膚炎も増えています。大人のアトピー性皮膚炎のうち、18歳以上で発症した人は10~25%を占めており、けっしてめずらしくはありません。
原因物質を避け、肌は清潔にしてしっかり保湿を
アトピー性皮膚炎の治療の基本は、①アレルゲンの除去、②スキンケア、③薬物療法の3つです。
まず、病院でアレルギー検査を受けて、原因となるアレルゲンを明らかにし、なるべく避けるようにします。ハウスダストやダニがアレルゲンの場合は、部屋をこまめに掃除して、住環境を清潔に保つことが重要です。
また、汗も皮膚にとっては刺激となるため、汗をかいたらこまめにぬれたタオルで拭き取ります。衣服は、皮膚への刺激が少ない素材を選びましょう。
スキンケアでは、肌を清潔に保つことと保湿がポイントになります。入浴時には、刺激の少ない石けんをよく泡立て、素手、もしくはやわらかいタオルで全身をきれいに洗います。
お風呂から上がったらタオルでやさしく押さえるようにして水滴を拭き取り、なるべく5分以内に保湿剤を塗って、皮膚の水分を保つようにしましょう。
薬は指示された期間を守り、正しく使おう
薬物療法では、ステロイド薬やタクロリムス(免疫抑制剤の1つ)の塗り薬が用いられるほか、かゆみに対して補助的に、のみ薬の抗ヒスタミン薬を使う場合があります。塗り薬は、薄くのばすのではなく、湿疹にのせるように塗ると、患部に薬がしっかり行き届きます。
よい皮膚の状態を維持するためには、スキンケアと薬による治療を根気よく続けることが大切です。自己判断で治療を中断したりせず、医師の指示に従って治療を続けるようにしましょう。