呼吸器の病気

じん肺(珪肺症、石綿肺)

じんぱい(けいはいしょう、せきめんはい)
Pneumoconiosis (Silicosis, Asbestosis)

初診に適した診療科目:呼吸器科 内科

分類:呼吸器の病気 > 肺の病気/間質性肺炎または肺線維症

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どんな病気か

 空気中に浮遊する微粒子(約1〜5μm)である粉じんを肺に吸入することによって肺に生じる病気で、肺内に線維性病変などをつくります。多くは、粉じんを吸入する環境ではたらく場合に発症することで、職業性疾患に分類されます。粉じんの吸入から発症までには、吸入する粉じんの量にもよりますが、一般に長期間を必要とします。

原因は何か

 粉じんの吸入によって起こりますが、粉じんの種類は数多くあります(表15)。病気になるのは、この粉じんが肺内に沈着して、肺の線維化、気管支炎、気管支拡張などを起こすためです。そのため、病変が進行すると肺からの酸素の取り込みの低下が強まって、呼吸困難などが生じます。

 代表的なものには、鉱山、石工、トンネル工事などで起こる珪肺症と造船業、建設業で起こる石綿肺があります。以下、この代表的な2つの病気について解説をします。

(広島国際大学保健医療学部教授 中島正光)

表15 無機粉じんによるじん肺の種類とその発生職場表15 無機粉じんによるじん肺の種類とその発生職場