乳児の百日咳は重症化することも……止まらない咳に要注意

乳児の百日咳は重症化することも……止まらない咳に要注意

乳児の百日咳は重症化することも……止まらない咳に要注意

2025.10.03

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百日咳は咳が長く続く病気で、完治するまで2~3カ月ほどかかることもあります。乳児がかかると重症化する場合があるため、しつこい咳が長引く場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

連続的な咳と息を吸うときの音が特徴

百日咳は、百日咳菌が原因で起こる急性の呼吸器感染症です。感染力は非常に強く、咳やくしゃみで飛び散った飛沫を吸い込む飛沫感染や、手を介して鼻や口などから菌が体内に入り込む接触感染によってうつります。
通常7~10日ほどの潜伏期間を経て、初期には咳やくしゃみ、鼻水といったかぜ症状が現れます。かぜ症状が1~2週間程度続いたあとは、咳の症状がひどくなります。
いったん咳が出はじめると、「コンコンコン」という短めの咳が連続して起こり、咳のあと、息を吸い込むときに「ヒュー」という笛のような音が出るのが特徴です。こうした咳発作は夜間に出やすく、嘔吐を伴うこともあります。

乳児は重症化し、命に関わる危険も

これらの症状が2~3週間ほど続くと、次第に咳は治まってきます。ただし、完全に治るまでには2~3カ月ほどかかる場合があり、百日咳と呼ばれるのはそのためです。
また、乳児期早期では、このような特徴的な咳の症状が出にくい一方で、無呼吸発作から咳が止まらずに顔や唇、爪の色が紫色になったり(チアノーゼ)、けいれんや呼吸停止を起こしたりして、命に関わる場合があります。ほかにも、合併症として肺炎や脳症を発症することもあるため、注意が必要です。

予防にはワクチンの定期接種が有効

百日咳は、鼻やのどの奥から粘液を採取する検査や血液検査などを行い診断されます。
治療には、抗菌薬を用いるのが基本です。初期のうちに治療を開始すると、回復が早くなります。咳の症状がひどい場合は、咳やたんをやわらげる薬が処方される場合もあります。
百日咳は、学校保健安全法および保育所における感染症対策ガイドラインに基づき、特有の咳がなくなるまで、または抗菌薬による5日間の適切な治療が終了するまでは、登校・登園停止となります。
百日咳を予防するためには、五種混合ワクチンによる定期接種が効果的です。母親からもらう免疫では十分に防ぐことができない場合もあるので、生後2カ月を迎えたら早めに予防接種を受けましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)