気分の浮き沈みが激しくて不安……双極性障害との付き合い方
気分の浮き沈みが激しくて不安……双極性障害との付き合い方
2025.03.07広告
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双極性障害は、躁状態とうつ状態という両極端な精神状態をくり返す病気です。放置すると社会生活や人間関係に支障をきたす恐れもあるため、適切な治療とサポートを受け、症状をコントロールすることが大切です。
うつ状態の症状からうつ病と診断されることも
双極性障害は、気分が高まる「躁状態」と、気分が落ち込む「うつ状態」をくり返す病気です。ただし、常に症状が現れるわけではなく、普段どおりの生活を送れる時期もあります。若い世代に多い傾向があり、男女差はありません。
躁状態のときは気分がよいため、病気の自覚がない人もいます。また、うつ状態の時期はうつ病と同じような症状がみられるため、うつ病と診断されることもあります。うつ病だけの治療では症状が悪化する場合もあるので、気分の浮き沈みを見極めることが大切です。本人だけでなく、家族など周囲の人も、日頃の行動や気分の変化に違和感を覚えた場合は、早めに医師に相談しましょう。
放置すると頻繁にくり返すようになる
躁状態のときには、睡眠時間が少なくても元気、おしゃべりになる、人の意見に耳を貸さない、ささいなことでイライラする、浪費行動が増えるなどの症状が現れます。
一方、うつ状態のときには、無気力、疲れやすい、食欲低下、睡眠障害、興味や喜びの喪失、自分を責める、思考力・集中力の低下といった症状がみられます。
躁状態とうつ状態をくり返す状況を放置していると、再発の周期が短くなり、頻繁にくり返すようになります。1年間に4回以上再発する場合は、ラピッドサイクラーと呼ばれる重症な状態です。
また、躁状態とうつ状態が混ざった混合状態が現れることもあります。頭が冴えて活発なのに、不安や絶望感に襲われるなど、不安定な状態なので注意が必要です。
治療では薬物療法と心理社会的治療を行う
双極性障害の主な治療法には、薬物療法と心理社会的治療があります。
薬物療法では、気分の波を小さくする気分安定薬(炭酸リチウム、ラモトリギン、バルプロ酸ナトリウムなど)や、非定型抗精神病薬(オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾールなど)が使用されます。経口薬のほかにも、1回の注射で効果が1カ月ほど持続する注射薬もあるので、決められた時間に服薬することが困難な場合などは、医師に相談しましょう。
心理社会的治療では、本人が病気のことを理解して受け入れ、症状が現れたときに適切な対応ができるようにサポートします。
また、睡眠不足や過労は躁状態を引き起こす原因となるので、十分な睡眠時間を確保し、きちんと休養をとることも大切です。