ベタつくフケの原因は「脂漏性皮膚炎」かも

ベタつくフケの原因は「脂漏性皮膚炎」かも

ベタつくフケの原因は「脂漏性皮膚炎」かも

2017.12.22

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脂っぽく、ベタつくフケに悩まされている男性は少なくないようです。フケの量が多かったり塊のように大きく目立ったりするようなら、「脂漏性(しろうせい)皮膚炎」かもしれません。

皮脂を好むマラセチア菌が炎症を起こし、フケを発生させる

脂漏性皮膚炎は、皮膚科ではポピュラーな病気で、女性よりも男性(とくに30-40歳代以降)に多い傾向があります。

脂漏性皮膚炎では、頭皮やひたいの髪の生え際、鼻の両側、耳の後ろなどの皮脂の分泌が活発な部位に炎症が起こり、かゆみのほか、炎症部分が薄赤くなる紅斑(こうはん)が見られます。わきの下や前胸部、太もものつけ根などにも起こることがあります。皮脂の分泌が盛んで肌が脂っぽくなりやすい、いわゆる脂性(あぶらしょう)の人に多い皮膚病のひとつです。

この皮膚炎には、もともと誰の肌にも存在するマラセチア菌という真菌(カビ)が関係しています。マラセチア菌には皮脂を栄養にして増殖する性質があり、皮脂が分解されて作り出される遊離脂肪酸の刺激が肌に炎症を起こし、頭皮の新陳代謝を早めることで、はがれ落ちる角質が増え、多量のフケを発生させたりするのです。

治療は抗真菌薬が有効だが、長引いたり再発することも

脂漏性皮膚炎の治療には、マラセチア菌を減らす抗真菌薬や、炎症を鎮めるステロイド外用薬などが使われます。また、真菌の増殖を抑える作用がある、市販の薬用シャンプーなどの利用もすすめられることがあります。しかし、治療が長引いたり、治ったかに見えても再発したりすることも少なくないようです。

肌の脂性を変えることは難しいものの、過剰な皮脂の分泌を抑える生活習慣を心がけることは大切です。睡眠を十分にとることで、皮脂の分泌を促すというストレスを和らげたり、皮脂の過剰な分泌を抑えるとされるビタミンB群の豊富な食材(豚肉、鶏肉、レバー、納豆、卵、牛乳、かつお、まぐろなど)を積極的にとること、などがすすめられています。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)