親知らずが生えて痛む……抜くべき?

親知らずが生えて痛む……抜くべき?

親知らずが生えて痛む……抜くべき?

2024.12.09

広告

広告

親知らずを抜くべきかどうか、悩む人は少なくないでしょう。抜く必要のない親知らずがある一方で、放置すると口腔内などに悪影響を及ぼすものもあるので、かかりつけの歯科医や親知らずの専門医などにきちんと相談することが大切です。

十分なスペースがないため、正常な形で生えにくい

親知らずは最後に生えてくる永久歯で、第三大臼歯(智歯)といいます。

通常18~20歳ごろに生えてきますが、そのころにはすでにほかの歯が生えそろっているので、十分なスペースが残されていません。そのため、横向きや斜めに生えてきたり、骨の中に埋まった状態(埋伏歯)だったりすることが多いです。

影響が出ている場合は抜歯が推奨される

親知らずは、必ずしもすべて抜く必要があるわけではありません。正常に生えていて、噛み合わせなどに問題がない場合や、奥歯が抜けていて入れ歯などの土台として親知らずが必要な場合などは、抜かなくてもよいとされています。

しかし、生え方が変則的、あるいは不完全な状態の親知らずは、ブラッシングが行き届かないため、汚れがたまりやすく、炎症や腫れ、痛み、歯周病、むし歯、口臭などが起こりやすくなります。また、親知らずが横向きに埋まっていると、親知らずに手前の歯が押されて歯並びが悪くなったり、手前の歯の根が浸食されて溶けてしまったりすることもあります。さらに、親知らずの異常な生え方が原因で歯並びや噛み合わせが悪くなると、あごの関節に負担がかかり、顎関節症になりやすいともいわれています。

すでにこれらの症状が起きている、または起こるリスクが高いと想定される場合は、抜歯がすすめられます。

抜歯手術では歯肉の切開や骨を削ることも

骨の中に完全に埋まっているなど、見た目だけでは状態を把握できない場合は、X線撮影やCT撮影で状態を確認してから抜歯を行います。

通常、抜歯手術は局所麻酔で行います。骨の中に埋まっていたり、複雑な形で生えていたりする場合は、歯肉の切開や骨を削る必要があります。また、手前の歯を傷つけてしまう可能性がある場合は、一気に抜かず、歯を分割して取り出すこともあります。

切開した歯肉は元の位置に戻して縫合し、抜歯部分にガーゼを当てて圧迫止血を行い、処置は終了となります。

通常、抜歯後の痛み3日~1週間ほどで治まりますが、強い痛みが長引く場合は早めに受診する必要があります。

高齢者や基礎疾患のある人は、抜歯によって受ける負担が大きいため、医師と十分に相談しましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)