くり返す「膀胱炎」。治療法と再発を防ぐ方法は?

くり返す「膀胱炎」。治療法と再発を防ぐ方法は?

くり返す「膀胱炎」。治療法と再発を防ぐ方法は?

2024.08.02

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女性に多く発症するといわれる膀胱炎。多くの場合、抗菌薬の使用によって1週間ほどで改善しますが、再発しやすい病気でもあります。また、重症化すると命に関わる危険もあるため、早期に発見して適切な治療を受けることが肝心です。

泌尿器の構造上、女性に起こりやすい

膀胱炎は、尿道から膀胱に大腸菌などの細菌が侵入して増殖し、膀胱に炎症が起こる病気です。糖尿病や尿路結石などが原因で起こる場合もありますが、多くは細菌の侵入が原因の急性単純性膀胱炎です。排尿の終わりごろに痛みを感じるほか、頻尿や残尿感、尿の濁り、血尿といった症状が生じます。

膀胱炎が女性に多いのは、泌尿器の構造が関係しています。女性の場合、尿道の近くに腟や肛門があり、さらに男性に比べて尿道が短いことから、細菌が尿道を通って膀胱内に入りこみやすいためです。

膀胱の粘膜には細菌などをブロックする免疫機能がありますが、疲れやストレスがたまると免疫機能が低下し、細菌が侵入・増殖しやすくなります。ほかにも、長時間トイレを我慢したり、生理用品を長時間交換せずにいたりすると、細菌が増殖して膀胱炎を発症しやすくなります。

重症化すると命に関わることも

膀胱内に細菌が侵入すると白血球の数が増えるため、膀胱炎の診断では、尿検査で尿中の白血球数を調べます。同時に、尿中の細菌培養検査をして、細菌の種類を特定します。

膀胱炎の治療では、ニューキノロン系やセフェム系の抗菌薬を使用します。医師に指定された期間は使用を続けましょう。多くの場合、1週間ほどで症状が改善します。ただし、最近は抗菌薬に耐性のある細菌が増えており、薬が効きにくいことがあります。薬を使用してもなかなか改善しない場合は、医師に相談しましょう。

細菌が腎臓内の腎盂にまで感染してしまうと、急性腎盂腎炎を発症し、入院治療が必要になるケースもあります。まれではありますが、細菌が血中に侵入して全身を巡る敗血症を引き起こすこともあり、この場合は命に関わる危険もあるため、早期に発見して治療を受けることが大切です。

水分を多めにとり、疲れやストレスをためないことも大切

膀胱炎は再発しやすいことも特徴で、人によっては年に数回発症するケースもあります。膀胱炎を予防するためには、水分を多めにとり、排尿を促すようにしましょう。排尿を我慢しないことも大切です。また、排便後にトイレットペーパーでふくときは、細菌の侵入を防ぐために、前から後ろに向かってふくようにしましょう。
膀胱炎をくり返している人は、免疫力が低下して細菌に感染しやすくなっている可能性があります。十分な睡眠、栄養バランスのよい食事をとり、ストレスをためないように心がけましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)