何度もくり返す「扁桃炎」がつらい。原因と対策は?
何度もくり返す「扁桃炎」がつらい。原因と対策は?
2024.05.07広告
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のどの奥にある扁桃が炎症を起こし、のどの強い痛みやリンパ節の腫れなどの症状が現れる扁桃炎。炎症をくり返すと慢性化する場合があるので、予防に努めることが大切です。
ウイルスや細菌に感染することで発症
扁桃は、のどの奥の左右両側にあるリンパ組織の集合体で、鼻や口からウイルスや細菌が体内に侵入するのを防ぐ働きをしています。一方で、扁桃はウイルスや細菌の侵入口にあるうえに、表面に陰窩(いんか)と呼ばれるくぼみがたくさんあるため、感染によって炎症が起こりやすい器官でもあります。扁桃炎は、この扁桃がウイルスや細菌に感染し、炎症が起こる病気です。
扁桃炎には大きく分けて急性扁桃炎と慢性扁桃炎があり、子どもによくみられるのが急性扁桃炎です。主な症状は、扁桃が赤く腫れて表面に白い膿が付着する、頸部リンパ節が腫れる、高熱、のどの強い痛みなどがあります。
急性扁桃炎は通常、消炎鎮痛薬や抗菌薬の服用で落ち着いていきます。薬物療法とあわせて、水分や栄養をきちんと補給し、安静に過ごすことが大切です。
のどの痛みが強く、食事をとることが困難な場合は、点滴や入院での治療が必要になることもあります。
くり返すと慢性化する場合も
扁桃は、幼少期にもっとも働きが活発となり、大きさも最大になります。その後、成長とともに全身の免疫機能が発達してくると、役割の減った扁桃は徐々に縮小し、扁桃炎の頻度も減るのが一般的です。
ところが、急性扁桃炎をくり返し発症したり、炎症が治りきらなかったりした場合には、炎症が慢性化することがあります。これが慢性扁桃炎で、子どもから大人まで年齢を問わず発症します。
慢性扁桃炎は通常、炎症の程度は軽いですが、のどの違和感や倦怠感などの症状が続きます。また、常に扁桃が炎症を起こしている状態であるため、表面の陰窩に膿がたまり(膿栓)、口臭の原因になります。
扁桃炎はくり返すことが多く、一般的に1年に4回以上、扁桃炎をくり返す場合を「習慣性扁桃炎」といいます。
予防のためには免疫力を高めることが大切
扁桃炎は、体の抵抗力が落ちたときに発症しやすくなります。そのため、規則正しい生活を送る、十分な睡眠をとる、バランスのよい食事をとる、疲れやストレスをためないなどを心がけ、免疫力を高めることが予防につながります。感染予防の基本である手洗い、うがいをしっかり行うことも大切です。
扁桃炎を度々くり返す、扁桃の腫れによって呼吸や食事が難しいといった場合は、扁桃を摘出する手術が検討されます。日常生活に支障が出ている場合は、医師に相談しましょう。