幻覚や妄想などが起こる「統合失調症」

幻覚や妄想などが起こる「統合失調症」

幻覚や妄想などが起こる「統合失調症」

2023.10.23

広告

広告

統合失調症とは、幻覚や妄想、話がうまくまとまらないなど、さまざまな症状が起こる病気です。薬物療法を中心に治療が行われますが、治療が長期にわたることもあるため、家族や友人など周囲の理解が大切です。

幻覚や妄想、無気力や引きこもりなどの症状が現れる

統合失調症は、思春期から青年期にかけて発症することが多いといわれています。発症の原因ははっきりしていませんが、統合失調症になりやすい要因を元々もっている人が、仕事や人間関係のストレスなどをきっかけに発症すると考えられています。

前兆症状として、不眠や不安症状、気力の低下、これまでしていたことができなくなることがあります。その次に、幻覚(幻聴、幻視)、妄想、考えの混乱などの陽性症状(健康なときにはなかったものが現れる)や、無気力、感情の起伏が乏しくなる、引きこもるなどの陰性症状(これまであったものが失われる)が起こることがあります。これらの症状は、短期間で消える場合もありますが、一定期間以上続いた場合、統合失調症の始まりの可能性があります。

診断は、症状や経過、家族歴などを総合的にみて行われます。血液検査、CT検査、MRI検査が行われることもあります。

薬物療法やリハビリテーションなどを行い、回復を目指す

治療方法については、患者本人と医師、そして家族なども一緒になって、どのような治療を行うか決めていきます。

治療の基本は、薬物療法です。抗精神病薬を中心に、抗不安薬や抗うつ薬、睡眠薬などが処方されます。量や服用期間には個人差があるので、必ず医師の指示のもと服用するようにします。ほかにも、料理や園芸などの作業療法や運動療法、社会生活技能訓練(SST)、就労支援など、日常生活や社会生活を行うための精神療法やリハビリテーションが行われます。症状が重い場合は入院することもありますが、通院治療で改善することが多いです。

家族だけで抱え込まず、医師や専門家に相談を

統合失調症では、周囲の理解も大切です。周囲の人は、否定せずに話を聞き、本人の気持ちや現在の状況などをしっかり聞くようにしましょう。

統合失調症の治療は日々進歩しており、新しい薬や治療法の開発が進んでいます。早期に治療を開始するほど、症状が重くなりにくく、回復も早い傾向にあるといわれています。周囲の人は、いつもと違う様子に気づいたら、早めに専門機関に相談しましょう。医療機関だけでなく、自治体の保健センターなどにも心の病気に詳しい専門家がいるので、家族だけで抱え込まず、専門家などを頼ることが大切です。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)