激痛を伴う尿路結石─水分のとり方や食習慣が予防のカギ

激痛を伴う尿路結石─水分のとり方や食習慣が予防のカギ

激痛を伴う尿路結石─水分のとり方や食習慣が予防のカギ

2022.10.07

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尿の通り道に石のような塊ができ、激しい痛みを伴う尿路結石。男性に多い病気ですが、女性でも閉経後は発症しやすくなります。水分不足や動物性脂肪のとり過ぎなどは尿路結石の誘因となるため、食習慣を見直して予防に努めることが大切です。

激しい痛みのほか、血尿が出ることも

尿路結石は、尿の通り道(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に結石ができる病気です。尿には、シュウ酸やカルシウム、尿酸といった成分が含まれますが、尿路結石はこれらの成分が結晶化して石のように固まったものです。

主な症状は、わき腹や背中、腰、下腹部などにおこる激しい痛みです。痛みは、結石が尿に押し出されて移動するときや、腎臓が腫れたときなどにおこります。

結石がこすれて粘膜が傷つくと血尿が出ることがあり、出血量が多いほど鮮血に近い色の尿になります。また、38.5℃以上の発熱を伴うものは結石性腎盂腎炎(けっせきせいじんうじんえん)を合併している可能性があり、重症化する恐れがあります。

尿路結石は、日本では男性の7人に1人、女性の15人に1人が経験するといわれています。女性のほうが発症率が低いのは、女性ホルモンには骨からカルシウムを溶け出しにくくする働きがあり、尿路結石ができにくいためと考えられています。しかし、閉経後は女性ホルモンの分泌量が減少するため、発症率は男性とほぼ同程度まで上がるとされています。

結石のある場所や大きさにより、治療法は異なる

尿路結石の治療法は、結石のある場所や大きさによって選択されます。結石が尿管にあり、大きさが5ミリ以下であれば、尿と一緒に自然に排出される可能性があります。その場合は、水をたくさん飲んで排出を促します。

結石が1カ月以上排出されないときや、大きさが5ミリを超える場合は、体外から衝撃波を当てて結石を砕く体外衝撃波砕石(さいせき)術を行います。結石が非常に硬いときなどは、尿道から内視鏡を入れて結石を砕く経尿道的砕石術を行います。

一方、結石が腎臓にある場合は、大きさに関わらず、体外衝撃波砕石術や経尿道的砕石術を行います。

水分は1日2リットル以上。脂質は控えめに

水分不足や動物性脂肪のとり過ぎなどは、尿路結石の誘因となることから、予防のためには、水分のとり方や食習慣を見直すことが重要です。水分は1日2リットル以上を目安に、たっぷりとります。回数を分けて少量ずつ飲むよりも、一度に飲む量を多めにしましょう。

食事では脂質を控えめにし、シュウ酸を含む食品(ほうれん草、たけのこ、大根など)はカルシウムを含む食品と一緒に食べると便として排泄されやすくなります。

肥満や高血圧、糖尿病、脂質異常症などがあると尿路結石のリスクを高めるため、それらの改善に努めることも大切です。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)