たびたびの頭痛は我慢せずに受診を─慢性頭痛

たびたびの頭痛は我慢せずに受診を─慢性頭痛

たびたびの頭痛は我慢せずに受診を─慢性頭痛

2022.09.02

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とくに原因となる病気があるわけではないのに、たびたびくり返す頭痛を慢性頭痛といいます。そのまま放置してしまうと、仕事や日常生活に支障をきたすだけでなく、ストレスの原因にもなるため、適切に対処することが大切です。

慢性頭痛にはおもに3つのタイプがある

慢性頭痛にはいくつかのタイプがあり、代表的なものとして片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の3つがあります。

片頭痛は、ズキンズキンと脈打つような強い痛みが数時間から3日間ほど続くのが特徴。痛みは頭の片側に起こるとは限らず、頭の両側や後頭部に起こることもあります。

はっきりとした原因はわかっていませんが、何らかのきっかけで脳の血管が拡張し、周囲の神経を刺激することで痛みが起こると考えられています。そのため、運動や入浴をしたとき、ストレスや疲れから解放されたときに痛みが起こりやすくなります。また、頭痛のほかに吐き気、めまい、音や光に敏感になる、といった症状を伴うことがあります。

もっとも多い緊張型頭痛は、痛みが数カ月続くことも

慢性頭痛のなかでもっとも多くみられるのが緊張型頭痛で、頭がギューッと締めつけられるような痛みが特徴です。痛みの程度は片頭痛ほど強くないものの、数カ月にわたって痛みが続くことがあります。

緊張型頭痛は、頭から背中にかけての筋肉の緊張により、血流が悪化したり、痛みを感じる神経が刺激されたりすることで起こると考えられており、悪い姿勢や合わない枕で寝ること、運動不足、精神的ストレスなどが誘因となります。

慢性頭痛でもっとも患者数が少ないのが群発頭痛で、左右いずれかの目の奥をえぐられるような激しい痛みが起こります。痛みは毎日、ほぼ同じ時間に始まり、1~2時間で治まります。これが1~2カ月続き、毎年ほぼ同じ時期にくり返し起こるのが特徴です。

群発頭痛の原因は不明ですが、とくに男性、なかでもヘビースモーカーの人で発症しやすい傾向があります。

片頭痛の予防・改善には頭痛ダイアリーが有効

慢性頭痛のうち、片頭痛は特定の行動や環境が発症の引き金になることがあります。そのため、痛みの程度や薬の使用状況、どんなときに痛み出したかなどを記録する「頭痛ダイアリー」※をつけると、自分なりの予防策を立てやすくなるほか、受診時に医師に見せれば診断にも役立ちます。

なお、慢性頭痛であれば命の危険はありませんが、頭痛はくも膜下出血や脳腫瘍といった脳の病気から起こる場合もあります。そうした病気を見逃したり、慢性頭痛を悪化させたりしないためにも、気になる症状がある場合は、かかりつけ医や頭痛外来を受診しましょう。

※日本頭痛学会のホームページから「頭痛ダイアリー」をダウンロードできます。関連URLをご参照ください。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)