誰にでも起こりうる心の病気「適応障害」

誰にでも起こりうる心の病気「適応障害」

誰にでも起こりうる心の病気「適応障害」

2022.05.06

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何らかのストレスが原因で、通常の社会生活が送りにくくなってしまう「適応障害」。その状態を放置してしまうと、うつ病などにつながってしまう可能性もあるため、早めに適切な対処をすることが肝心です。

社会生活や対人関係を続けることが困難に

適応障害とは、日常生活の中で起こった出来事や環境などがストレスとなり、心身にさまざまな症状が現れる心の病気の1つです。ストレスの原因が明確で、社会生活や対人関係を続けることが困難な状態に陥っている場合、適応障害と診断されます。

適応障害は、性別や年齢に関係なく、誰にでも起こりうる病気です。昨今は、コロナ禍によりストレスを抱えやすい状況にあることから、患者は増加傾向にあります。

適応障害の症状は、憂うつな気分、不安感、焦り、涙もろくなる、情緒不安定、頭痛、不眠など、現れ方は人によってさまざまです。

これらの症状は正常な人にもみられることがありますが、適応障害の場合は、仕事や学業に支障が出たり、社会生活や対人関係を続けることが困難なほど過敏になります。そうした状態が1~2週間続くようであれば、適応障害が疑われます。

まずは原因となっているストレスから離れる

適応障害の原因となるストレスは、人間関係、環境の変化、人生の転機、病気など多岐にわたり、結婚や昇進といった一般的には喜ばしいと思われる出来事もストレスの原因になる場合があります。

適応障害の治療法としては、まず原因となっているストレスを軽減したり、取り除いたりすることを最優先に行います。多くの場合、それだけで症状が改善します。たとえば、職場での業務がストレスとなっている場合は、業務量を減らしてもらう、業務内容を変えてもらう、といったことが有効です。人間関係が原因となっている場合は、部署を替えてもらう、リモートワークを増やしてもらう、といったことでストレスの軽減が期待できます。

休職も有効な対処法の1つ

症状の程度によっては、休職も有効です。軽度の場合、期間としては、最初は2週間から1カ月程度がよいでしょう。

休職中は何か特別なことをするのではなく、ふだん通りの生活をしましょう。「早く治さなくては」とつい焦ってしまいがちですが、それは逆効果。十分に休養しつつ、適度に活動もしながら、ゆっくりと回復を待ちましょう。

不安感や抑うつ症状が強い場合は、抗不安薬や抗うつ薬、睡眠薬を用いる場合もあります。

適応障害を放置すると、うつ病などを引き起こす可能性がありますので、つらい症状があれば我慢せず、早めに精神科、心療内科、メンタルクリニックなどを受診しましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)