突然のパニック発作…どう対処する?
突然のパニック発作…どう対処する?
2021.05.06広告
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なんの前触れもなく突然、動悸や息苦しさ、めまいといった発作にくり返し襲われ、強い恐怖感や不安を感じるという場合、パニック症(パニック障害)の可能性があります。パニック症はこころの病気です。そのため、精密検査を受けても体の異常は見つかりませんが、適切な治療を受けることでつらい症状を改善することができます。我慢せず、早めに専門医を受診しましょう。
パニック発作とともに強い恐怖感に襲われる
パニック症は、体にとくに異常がないのにも関わらず、突然、動悸や息苦しさ、めまいといった症状が発作的におこる病気です。パニック発作の症状としては、冷や汗をかく、体や手足の震え、胸の痛みや不快感、吐き気、腹部の不快感、ふらつきなどがあります。
これらの症状は数分以内にピークに達し、本人は「自分ではこの状態をコントロールできない」「このまま死んでしまうのではないか」といった強い恐怖感や不安に襲われます。
日本人の100人に1~2人が発症
パニック発作はくり返しおこるため、また発作がおきたらどうしようという不安がつきまとい(予期不安)、発作を経験した場所や状況を避けるようになります(回避行動)。さらに、発作がおこっても助けを求められない人混みや公共交通機関などにも恐怖を感じ、外出が困難になる場合もあります。
一生のうちにパニック症を発症する人は、日本では100人に1~2人とされ、けっして珍しい病気ではありません。年代では20~30歳代に多く、女性は男性の2倍発症しやすいといわれています。
体の精密検査を受けても異常がなく、パニック症が疑われる場合は、精神科や心療内科などを受診することが勧められます。
認知行動療法により、恐怖や不安を克服
パニック症の治療には、薬物療法と認知行動療法があります。薬物療法では、抗うつ薬や抗不安薬が用いられます。
一方、認知行動療法は、考え方のクセや行動パターンを変えることにより、恐怖や不安を克服できるように練習していく治療法です。たとえば、一人で電車に乗れない場合には、まずは家族に付き添ってもらって乗り、次に家族には別の車両に乗ってもらう。その次は一人で一駅だけ乗り、慣れてきたら乗る距離と時間を少しずつ延ばしていく、といった具合です。
このように、けっして無理をせず、徐々にステップアップしていくことが大切です。そうして成功体験を積み重ねることにより、自信がついて、苦手だったことが次第にできるようになります。
また、睡眠不足や月経中、カフェイン・アルコール摂取などはパニック発作を誘発しやすくなるので、再発を予防するためにも、これらに注意するようにしましょう。