つらい五十肩の治療法は?
つらい五十肩の治療法は?
2021.03.05広告
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五十肩(肩関節周囲炎)は、特にけがなどをしていないにも関わらず、肩が痛くなったり、動かしづらくなったりする病気です。発症以降、急性期、慢性期、回復期と経過し、多くの場合、自然に治ります。症状を軽減し、回復を早めるためには、時期ごとに適切な対処を行うことが大切です。
病名どおり、40~50歳代に多く発症
五十肩は、40~50歳代のいわゆる中年期によくみられる肩の病気です。腕を上げる、背中に手を回すといった動作で肩や腕に痛みが生じ、肩を動かしづらくなるのが特徴です。
症状は、左右どちらかの肩に突然激しい痛みを感じることが多く、高いところから荷物を下ろそうとしたとき、窮屈な服を脱ごうとしたときなど、ささいな日常動作をきっかけに発症することがよくあります。
組織の老化が主な原因。とくに糖尿病の人は要注意
五十肩の主な原因は、肩関節周辺の組織の老化です。肩関節は、肩甲骨、上腕骨、鎖骨の3つから構成されていて、その周辺には軟骨や靭帯、腱などがあります。これらの組織が加齢によりもろくなると、小さな傷ができて炎症を起こし、五十肩を引き起こすとされています。
また、最近五十肩が起こっている箇所に、不自然に増殖する異常な血管である新生(しんせい)血管ができることがわかってきました。新生血管は、痛みを伝える神経を増殖させるため、五十肩を悪化させる原因とされています。
また、糖尿病がある人は五十肩になりやすく、なおかつ治りにくいことがわかっています。これは、糖尿病で血糖値が高いと、肩関節周辺の組織を構成しているコラーゲンが硬くなりやすいためと考えられています。
時期ごとに対処法を使い分けることが重要
五十肩は症状の経過に伴い、急性期(発症から1~2カ月程度)、慢性期(6カ月程度)、回復期(1年程度)に分けられます。
急性期の治療では、痛みを和らげるために非ステロイド抗炎症薬などが用いられます。痛みが強い場合は、ステロイド薬などを患部に注射して炎症を抑えます。この時期は肩を無理に動かさず、安静にすることが大切です。
痛みが徐々に軽減して慢性期に入ったら、痛みを和らげる治療と並行して、肩関節の可動域を広げるために運動療法を行います。運動療法を行いやすくする目的で、関節を包んでいる関節包(かんせつほう)という組織にステロイド薬と麻酔薬を注入する関節腔(かんせつくう)拡張術が行われることもあります。
回復期に入ったら、低下した筋力を取り戻すため、積極的に肩の運動を行うようにします。
なお、症状がなかなか改善しない、痛みが強いという場合は別の病気の可能性もあるため、必要に応じて医療機関を受診してください。