外傷

吐血

とけつ
Hematemesis

分類:外傷 > 外傷による出血

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 原因としては食道静脈瘤、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの病気が一般的です。外傷によって直接的に食道、胃、十二指腸が損傷することで吐血することは、それほど多くありません。むしろ、頭部の外傷や全身的に重症な外傷を負った強いストレスにより、急に胃にびらん・潰瘍が発生して出血が起こり(急性胃粘膜病変)、そのために吐血が起こることが多いと考えられます。

 そのため、重症外傷の患者さんには、腹部に外傷がない場合でも早期に予防的に抗潰瘍薬を投与します。もし病院に到着する前に吐血した場合の応急処置としては、吐血による窒息が起こらないように、吸引などの気道確保が中心になります。また、顔面の外傷患者は、鼻出血や口腔内の出血を飲み込み、それを吐き出すことで大量の吐血をすることがあるので注意が必要です。

 治療は原因にもよりますが、投薬や内視鏡治療を行う場合があります。

(済生会横浜市東部病院救命救急センター医長 山崎元靖)