遺伝的要因による疾患
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エーラス・ダンロス症候群
えーらす・だんろすしょうこうぐん
Ehlers-Danlos syndrome
初診に適した診療科目:整形外科 皮膚科 皮膚泌尿器科
分類:遺伝的要因による疾患 > 心・血管系の疾患
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どんな病気か
皮膚、骨、血管、内臓などに含まれるコラーゲンの生成や代謝に生まれつき異常があるために、皮膚の異常な伸展や脆弱性、靱帯や関節の弛緩、易出血性(あざができやすい)などを認める遺伝性の病気です。主な症状により、古典型、関節可動性亢進型、血管型、後側彎型、多関節弛緩型、皮膚脆弱型の6つの病型に分類されています。従来は非常にまれな疾患とされていましたが、最近では、全病型を合わせると約5000人に1人といわれています。
原因は何か
コラーゲンの生成や代謝に関係する遺伝子の異常で起こります。コラーゲンは、身体を構成している全蛋白質の30%を占めている重要な構成成分で、さまざまな組織に強度と弾力性を与えるはたらきをしているため、その異常により組織が脆くなるのが原因です。
コラーゲンには多くの種類があり、また組織によりその構成や代謝が異なるために、原因となる遺伝子の違いにより症状の現れ方や遺伝形式が異なってきます。
症状の現れ方
病型により異なりますが、一般的にみられる症状としては、皮膚過伸展(引っ張ると皮膚が伸びやすいが放すと元にもどる)、皮膚脆弱性(打撲や摩擦で皮膚が簡単に裂けやすく、できた傷も治りにくい)、関節過伸展(関節が異常に柔らかい)、関節脱臼、血管脆弱性(あざができやすい)、などがあります。その他、背骨の異常、心臓弁の異常、気胸、ヘルニア、起立性調節障害(立ちくらみ)などがみられることもあります。
血管型エーラス・ダンロス症候群では、大動脈瘤解離や血管破裂、腸管や子宮などの内臓破裂を起こすこともあります。
検査と診断
理学的所見(医師による診察)と問診(病歴・家族歴)に基づいて診断されます。その他、皮膚生検、心血管超音波検査、CT検査、MRI検査、等も必要に応じて行われます。一部の病型では遺伝子解析による診断も可能です。
治療の方法
痛みの緩和などの対症療法が中心になります。血管型では侵襲的な(身体に負担のかかる)検査や手術はなるべく避けます。
病気に気づいたらどうする
病型分類に基づき、症状に合わせた生活管理をしていきます。血管型では、血管破裂や腸管破裂、妊娠時の子宮破裂などの緊急事態に備えて、普段から医療機関や主治医に連絡がとれる体制をつくっておくことが大切です。
受診する科目としては、皮膚科、小児科、整形外科、形成外科、循環器科、遺伝科となります。