遺伝的要因による疾患

糖原病

とうげんびょう
Glycogen strage disease

分類:遺伝的要因による疾患 > 先天性代謝異常症

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どんな病気か

 消化管から吸収された糖質は、糖原(グリコーゲン)として肝臓を中心に体内に蓄えられます。このグリコーゲン代謝に関係する酵素異常により、主に肝臓に糖原が蓄積する肝型と、筋症状が特徴的な心・筋型が知られています。

症状の現れ方

 肝型糖原病では、肝内に蓄えられたグリコーゲンが利用できないために、肝腫大と低血糖が現れ、次第に低身長が顕著になります。病型により鼻出血が止まりにくい、感染しやすいなどの症状が現れ、痛風、尿路結石、腎不全、肝腺腫を来すこともあります。

 心・筋型では、筋力低下や心不全を来します。

治療の方法

 肝型は、頻回に食事をしたり、体内でゆっくりと消化吸収されるコーンスターチ(βでんぷん)や糖原病用ミルクを使用した食事療法と、各症状に即した治療を行います。

 心・筋型では、対症療法に加え、欠損酵素の補充療法が行われる場合もあります。

(大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学講師 岡野善行)