遺伝的要因による疾患

胎児病

たいじびょう
Fetal disease

分類:遺伝的要因による疾患 > 遺伝的要因に環境要因が加わって発症する疾患

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 胎芽が完成しても環境要因により先天異常が発生することもあります。水銀中毒による胎児性水俣病や、最近ではみられなくなった母親の梅毒感染が原因となる先天梅毒がよく知られています。

 また妊婦の喫煙は、胎児や胎盤を低酸素状態にさらすことにより未熟児の原因になることがあります。妊婦が糖尿病のために高血糖になっていると、巨体児の出生や新生児期低血糖症の原因になることがあります。

 妊婦の細菌感染によって、胎児性中耳炎が原因の難聴が赤ちゃんに発生することもあります。

 これらの催奇形因子は胎芽の形成に直接作用したものではないため胎児病と呼ばれますが、催奇形因子が妊娠のいつの時期に作用したかはわからないことも少なくなく、厳密に胎芽病と区別することは難しい場合があります。

(お茶の水女子大学大学院遺伝カウンセリングコース客員教授 千代豪昭)