感染症
サルモネラ腸炎
さるもねらちょうえん
Salmonella enteritis
初診に適した診療科目:消化器科 内科 胃腸科
分類:感染症 > 細菌・ウイルスなどによる感染症/胃・腸
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どんな感染症か
サルモネラ属の細菌が腸へ感染して起こる病気です。菌が混入した食べ物や飲み物を食べたり飲んだりして感染します。サルモネラ属の細菌は、多くの血清型に分類されます。
菌で汚染された飲食物で感染する以外に、菌をもっているペット(イヌ、ネコ、カメなど)から感染することもあります。
腸チフス、パラチフスもサルモネラ感染症に含まれますが、本書では別項で取り上げているので、ここでは腸チフス、パラチフス以外のサルモネラ腸炎について述べます。
症状の現れ方
菌で汚染された飲食物を食べたり飲んだりして6時間〜2日くらい経過したあとに、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱が現れます。下痢の程度は軟便から水様便までさまざまで、血便になることもあります。重症になると腎不全を起こすことがあります。
検査と診断
サルモネラ属以外の病原体でも同様の症状を起こすので、ほかの病原体による腸炎と区別する必要があります。便からサルモネラ属の菌を分離することで診断します。
治療の方法
下痢で脱水になることを防ぐために、下痢をしていても水分をとることをすすめます。自然に治ることが多く、薬剤を服用せずに、あるいは整腸薬を服用して経過を観察することもよくあります。
中等症から重症のものでは抗菌薬で治療することもあり、成人患者では多くの場合、ニューキノロン系の抗菌薬を使用します。脱水がひどければ、点滴で水分を補うこともあります。
高齢者や乳幼児で脱水を起こしやすく、さらに腎不全になりやすいので、高齢者や乳幼児では注意が必要です。
病気に気づいたらどうする
改善しないようなら、受診することをすすめます。とくに食品関係者は受診するようにしてください。成人の場合は内科(胃腸科、消化器内科)、感染症科を、小児の場合は小児科を受診するとよいでしょう。下痢止め薬や手持ちの抗菌薬は服用せず、受診してください。
ほかの人への感染を防ぐには、よく手を洗う必要があります。石鹸で十分に手を洗い、水道水できれいに洗い流すようにします。