感染症

ジフテリア

じふてりあ
Diphtheria

初診に適した診療科目:小児科 内科

分類:感染症 > 細菌・ウイルスなどによる感染症/呼吸器

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どんな感染症か

 ジフテリア菌の飛沫感染(くしゃみなど)で起こります。

 日本は世界に先駆け、1981年以降に副反応の少ない精製ワクチンを使ってきました。患者さんの数は着実に減少し、数年に1名にまでになっています。

 感染症法2類感染症に属します。

症状の現れ方

 のどや鼻に菌が感染して、鼻みず(血が混じった粘液膿性)、高熱、のどの痛み、犬が吠えるような咳などが出てきます。牛の首のように、首が大きくはれてくるのが特徴です。

 のどに偽膜と呼ばれる白い膜ができて、窒息することもあります。菌の出す毒素によって、心筋障害や神経麻痺を起こすことがあるので注意が必要です。

検査と診断

 疑わしい症状の時は、早急な治療が必要なので、早期診断が大切です。

 正確な診断にはジフテリア菌を分離する必要がありますが、これには時間がかかります。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTP三種混合ワクチン)を接種していれば、ほぼ発病することはありませんから、ワクチン接種歴を母子手帳などで確認しておくことが大切です。区別する病気としては、鼻腔異物、連鎖球菌による偽膜性扁桃炎、伝染性単核球症などがあります。

治療の方法

 ジフテリア菌の出す毒素を中和することが重要です。このために、できるだけ早期に抗毒素を注射する必要があります。抗毒素は全国に数カ所備蓄しています。

 予防接種が発病予防に有効です。DTP三種混合ワクチンとして、生後3カ月から接種できます。3〜8週間隔で3回、1年〜1年半後に追加接種します。11〜12歳でのジフテリア・破傷風追加接種(Ⅱ期)は最後の接種です。忘れずに接種してください。

病気に気づいたらどうする

 疑わしい症状のある時は、できるだけ早く小児科または内科を受診してください。

関連項目

 伝染性単核球症

(国立病院機構福岡病院統括診療部長 岡田賢司)