呼吸器の病気

肺の良性腫瘍

はいのりょうせいしゅよう
Benign lung tumor

分類:呼吸器の病気 > 肺の病気/肺腫瘍

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 皮膚にできるいぼやほくろと同様に、肺にもいろいろな種類の良性腫瘍ができることがあります。これらの良性腫瘍は一般に無症状で、大きくなる速度も遅く、転移することはありません。良性腫瘍であることが明らかで、サイズが小さく、無症状であれば、そのまま経過を観察するだけで十分です。

 しかし、ゆっくりではあっても次第に大きくなりますし、腫瘍ができた部位によっては、咳や痰の原因になったり、気管や気管支を圧迫して肺炎や息切れなどを起こします。また、X線やCT検査では、肺がんなどの重要な病気と見分けがつかない場合もあります。放置しているとやがてがん化するものもあります。

 このような場合には、手術で腫瘍を取るべきとされています。肺の良性腫瘍と診断された場合、大きな心配は不要ですが、医療機関で注意深い経過観察を受けることが重要です。

(九州大学大学院医学研究院附属胸部疾患研究施設教授 中西洋一)