遺伝的要因による疾患
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先天異常の発生をどう受け止めたらよいのか
分類:遺伝的要因による疾患
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遺伝子異常や染色体異常が日常的に起こっている突然変異であることを理解すると、「どうして遺伝子異常や染色体異常が生まれたか」ではなく「どうしてそのような先天異常が流産しなかったのか」が問題だということがわかります。
その機構はまだ十分にはわかっていません。遺伝学が扱う進化理論では突然変異に目的がないことがわかっています。しかし、突然変異に対して“甘い”流産機構がさまざまな変異をつくり出し、結果的に変貌する地球環境に適応する個体を生み出すために必要なのだと考えると納得できる面があります。ある意味では先天異常は人類が環境に適応して生き延びていくための“保険”のようなものなのかもしれません。
また別の見方をすると、生まれてきた染色体異常をもった子どもは幾段階もの流産機構を免れて生き残った特別に運が強い子どもか、あるいは母体との相性が特別に良かった子どもなのかもしれません。キリスト教では子どもは“天からの授かり物”ではなく“神様からの預かり物”です。神様はあなた方を選んでこの子を預けたのだ、だから親として慈しんで育て、天寿を全うしたら神様にお返しするのだと教えます。
生命の誕生や胎児の発生の神秘的な面をみると、このような宗教的な考え方も受け入れることができるような気がします。