遺伝的要因による疾患

塩基配列決定法

分類:遺伝的要因による疾患

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 遺伝子の情報は4種のヌクレオチド(アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T))がどのような配列で並んでいるかによって決定されます。したがってその配列を知ることは、個々の遺伝子のはたらきを知るうえで重要になってきます。

 現在、一般的なDNAの塩基配列決定法はジデオキシ法といい、これは塩基配列を決定するための反応(シークエンス反応)にジデオキシ化合物を用いることからきています(図3)。

 シークエンス反応に必要な試薬は、配列決定したいDNA断片(鋳型)、DNAポリメラーゼ(合成酵素)、鋳型の一部と相補的な合成DNAであるプライマー、DNA合成の材料である4種のヌクレオチド三リン酸(dNTP)、4種のジデオキシ化合物(ddNTP)です。ジデオキシ化合物は、dNTPの1000分の1などの割合で用います。

 DNAポリメラーゼは、鋳型DNAと部分的2本鎖構造をつくるプライマーの3’末端から合成を始めますが、ジデオキシ化合物が取り込まれるとそれ以上の反応は止まってしまいます。ジデオキシ化合物は蛍光色素で標識されており、たとえばA(アデニン)を含む場合には緑色、C(シトシン)の場合には青色蛍光色素が結合しています。

 そのため反応を終えると、反応液のなかには鋳型と相補的な1ヌクレオチドずつ長さが異なる合成されたDNAができあがり、それぞれの末端には蛍光色素が存在しています。このDNAの混合物を、ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動を行うと、短いDNAを先頭にして順番に泳動されます。長さが異なるDNAが順番に検知器の部分を通過すると、レーザー照射によって、どの色素が通過しているかを読み取ります。こうして塩基配列が決定されます。

 塩基配列を決定したい鋳型DNAは、現在の技術では同じ配列の数百億分子のDNAが必要とされ、PCRや遺伝子クローニングにより増幅されたDNAを用います。

(兵庫医科大学遺伝学教育教授 山本義弘)

図3 塩基配列決定のためのジデオキシ法によるDNA合成反応 図3 塩基配列決定のためのジデオキシ法によるDNA合成反応