暑い季節も油断禁物! 夏の脳梗塞に要注意
暑い季節も油断禁物! 夏の脳梗塞に要注意
2020.08.06広告
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脳梗塞は寒い季節に発症しやすいイメージですが、実は暑い夏もリスクが高くなります。脳梗塞の発症には生活習慣が密接に関係しているので、どのようなことに注意したらよいかを正しく理解し、予防に努めましょう。
大量の発汗で体が脱水状態になり、リスクが上昇
脳梗塞は、脳細胞に酸素や栄養を供給する血管が血栓(血のかたまり)などによって詰まり、脳の機能が障害されてしまう病気です。
脳梗塞には、心原性脳塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう:心臓にできた血栓が脳の血管に運ばれて詰まる)、アテローム血栓性脳梗塞(脳の太い動脈が動脈硬化などにより詰まる)、ラクナ梗塞(高血圧により脳の太い動脈から枝分かれした細い血管が詰まる)という3つのタイプがあります。このうち夏におこりやすいのが、アテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞です。
夏は発汗量がふえるため、体内の水分が減り、脱水状態になりがちです。すると、血液の濃度が高くなるため、血流が悪くなり、血管が詰まりやすくなります。
また、体温を調節するために末梢血管が拡張することで、脳や心臓が一過性の虚血状態となります。すると、血圧の低下により血流速度が遅くなり、血栓ができやすくなることもリスクが高くなる一因です。
早期発見に役立つ「FAST」チェック法
脳梗塞の症状は、障がいを受けた脳の部位により、さまざまな形で現れます。代表的なものとして、片方の手と足に力が入らない、ふらつく、半身がしびれる、顔がゆがむ、ろれつが回らない、物が二重に見える、視野の一部が欠ける、などがあげられます。
脳梗塞をいち早く発見するために覚えておきたいのが、「FAST」というチェック法です。
- F(Face):表情が左右非対称になっていないか、
- A(Arm):両腕を前に伸ばした状態を5秒間キープできるか、
- S(Speech):言葉をきちんと話せるか、
- T(Time):前述の症状に気づいた時間を確認し、1つでも当てはまる場合はすぐに救急車を呼ぶ、
というものです。
脳梗塞は、迅速な対応がなによりも重要なので、これらの症状が現れた際は、ためらわずに救急車を呼びましょう。
水分補給は「のどが渇く前に」「こまめに」がポイント
夏の脳梗塞を予防するうえでもっとも大切なのが、適切な水分補給です。のどの渇きを感じる前にこまめに水分をとり、就寝前と起床時にコップ1杯の水を飲む習慣をつけましょう。外出や運動などで大量に汗をかいたときは、経口補水液やスポーツドリンクなどを飲んで、塩分も補給します。
そのほか、就寝時も適度に冷房を使う、食事では脂質や塩分をとりすぎない、大量の飲酒は避ける、禁煙する、といったことを心がけましょう。