季節を問わず気をつけたい。花粉やほこりによる鼻のトラブル

季節を問わず気をつけたい。花粉やほこりによる鼻のトラブル

季節を問わず気をつけたい。花粉やほこりによる鼻のトラブル

2025.12.05

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アレルギー性鼻炎には、花粉が原因となる「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」と、ほこりやダニなどによって一年を通して症状が出る「通年性アレルギー性鼻炎」があります。つらい症状を放置すると日常生活にも支障が出るため、適切な治療を受けることが大切です。

原因によって季節性と通年性に分かれる

花粉やほこり、ダニなど、アレルギーの原因物質(アレルゲン)が鼻粘膜に侵入した際、体がそれらを異物と認識すると、異物を排除しようと免疫が過剰に反応し、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が起こります。これをアレルギー性鼻炎といいます。

アレルギー性鼻炎は、花粉の飛散時期のみ症状があらわれる「季節性」と、季節を問わず症状がみられる「通年性」に分けられます。

季節性は、主にスギやヒノキ、ハンノキ、シラカバ、ブタクサなどの花粉が原因で起こります。一方、通年性は、ほこりやダニ、カビ、ペットの毛などが原因となります。

連続するくしゃみとサラサラした鼻水が特徴

アレルギー性鼻炎は、連続して起こるくしゃみや、透明でサラサラした鼻水が特徴です。

また、通年性アレルギー性鼻炎では朝の起床時に症状が悪化しやすく、これを「モーニングアタック」といいます。原因として、自律神経の働きによる鼻粘膜の過敏化、体内時計に伴う免疫反応の活発化、起床時の動きで舞い上がるほこりなどが関係していると考えられています。

治療とあわせて原因物質を避ける工夫を

アレルギー性鼻炎の薬物療法では、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服、炎症を抑えるステロイド点鼻薬、鼻づまりを改善するロイコトリエン受容体拮抗薬などが用いられます。

また、原因物質を少しずつ投与して体を慣らし、アレルギー反応を弱めていく「アレルゲン免疫療法」もあります。注射による皮下免疫療法のほか、ダニやスギ花粉に対しては舌下錠を使った舌下免疫療法も行われています。

薬物療法で症状の改善がみられない場合は、鼻の粘膜をレーザーで凝固する手術が検討されます。

日常生活では、原因物質を避ける工夫を心がけましょう。花粉症の場合は、外出時にマスクや眼鏡を着用し、帰宅時は家に入る前に衣服などについた花粉をしっかり落とします。通年性の場合は、部屋の掃除や寝具のこまめな洗濯でほこりやダニなどを除去し、清潔な環境を保つことが症状の軽減につながります。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)