口の乾燥が続くドライマウス──効果的な対策とは

口の乾燥が続くドライマウス──効果的な対策とは
2025.11.07広告
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ドライマウス(口腔乾燥症)とは、何らかの原因で唾液の分泌量が低下し、口の中が乾燥する状態をいいます。口の中だけでなく全身に影響を及ぼすこともあるため、口の中の乾燥が気になる場合は、歯科や口腔外科など、ドライマウス外来のある医療機関に相談しましょう。
唾液の抗菌作用が低下し、さまざまな病気のリスクが上昇
唾液には口の中を潤すだけでなく、粘りけのある成分で口の粘膜を保護したり、食べ物を飲み込みやすくしたりする働きがあります。また、抗菌作用もあり、細菌などから体を守る役割を担っています。
唾液の分泌量が減って口の中が乾燥すると、抗菌作用が低下し、口の中で雑菌が増殖しやすくなります。これにより、むし歯や歯周病、口内炎、口臭といった口腔内の症状のほか、気管支炎や誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。
さらに、重度になると、舌の表面がひび割れ、食事や会話への支障が生じる場合もあります。
口周りの筋力低下や薬の副作用で起こることも
唾液の分泌量が減る原因の一つに、加齢などによる口周りの筋力低下があります。食べる、噛むといった口の動きは、唾液を分泌する唾液腺の周りにある筋肉を刺激して、唾液の分泌を促します。しかし、筋力が衰えるとこの刺激が弱まり、唾液の分泌量も減ってしまいます。
このほか、ストレスや口呼吸、薬の副作用(抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、降圧薬、抗パーキンソン薬など)、糖尿病やシェーグレン症候群といった病気などもドライマウスの原因になるとされています。
症状改善には唾液の分泌を促すマッサージが有効
ドライマウスの治療は、原因となる病気がある場合はその治療を行い、薬の副作用が原因となっている場合は、薬の減量や変更を検討します。
口の中の乾燥に対しては、保湿薬を用いた対症療法が行われます。保湿薬には、洗口液やスプレー、ジェルなどさまざまなタイプがあり、保湿効果も異なるので、ライフスタイルや使用するタイミングによって選択するとよいでしょう。
セルフケアとしては、唾液の分泌を促すマッサージがおすすめです。左右の耳の前あたりに指を数本当て、円を描くように10回ほどマッサージします。
このほか、呼吸するときは口を閉じることを意識する、水分をこまめに補給する、ガムを噛む、ストレスをためないといったことを心がけましょう。
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