外傷
動物咬傷
どうぶつこうしょう
Animal bite
初診に適した診療科目:外科
分類:外傷 > その他の外傷・環境障害
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どんな外傷か
哺乳類によって咬まれた創(傷のこと)をいいます。イヌやヒトの口腔内は雑菌が多数存在し、また唾液などの消化酵素を含んでいるため、組織の融解・壊死や感染の合併が非常に多く起こります。
最も多いのがイヌによるものですが、咬む力が強いので、組織の挫滅を伴います。狩猟犬や闘犬など気性の荒いイヌでは、死亡することもあります。ネコは牙が細くて鋭いため、傷は小さくても奥深く突き立てられるので感染が多く起こります。ヒトの口腔の細菌数はイヌ・ネコよりも多く、ヒトによる咬傷は感染が多いとされています。
症状の現れ方
感染を起こすと発赤、腫脹(はれ)、疼痛を伴い、膿性の分泌物が認められます。
治療の方法
汚染創であり、創を清浄化(洗浄・消毒)しても無菌にすることは困難です。したがって、咬傷は縫合しないのが原則で、創周辺の挫滅組織を切除して洗浄・消毒をしたのち、開放したまま治療します。
破傷風の予防のために、抗生物質とともに、患者さんの免疫状態に応じてトキソイド、破傷風免疫ヒトグロブリンを投与します。
なお、近年、狂犬病は国内ではまったく発生がないので、特別な事情がないかぎり、狂犬病の免疫療法は行われていません。