外傷
鎖骨骨折
さこつこっせつ
Clavicular fracture
初診に適した診療科目:整形外科
分類:外傷 > 四肢の外傷
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どんな外傷か
小児が転倒して手や肘あるいは肩を地面などについた時に、その衝撃による外力が鎖骨に伝わって発生します。鎖骨を直接に打撲して骨折を起こすことはまれです。小児の肩周辺の骨折の80%を占め、発生頻度が高いものです。
見落としやすい外傷と合併損傷
乳幼児は骨が厚い骨膜で包まれているため、骨の連続性が完全には断たれない不全骨折(いわゆる「ひび」)になることが多くあります。
この場合は症状が乏しく、X線写真でも骨折線がはっきりしませんが、数日後にX線再検査を行うと骨折線がはっきりします。
小中学生で交通事故などにより大きな外力を受けた場合は、神経や血管の損傷を合併することがあります。
症状の現れ方
骨折はほとんどが鎖骨の中央3分の1の部位で発生します。骨折すると、体の中央寄りの近位骨片は上方へ、肩寄りの遠位骨片は下方にずれます。鎖骨の正常のレリーフが変形し、さらに両骨片は重なり合って1〜2㎝短縮し、肩幅が狭くなります。骨折部に皮下出血やはれ、痛みが生じ、腕や肩を動かすと痛みが強まります。
検査と診断
X線検査が必要です。外傷の病歴と鎖骨部の変形、痛み、はれ、皮下出血、圧痛、骨折部の異常な動きなどの症状とX線写真で診断は容易です。
治療の方法
保存療法が原則です。患児を椅子に座らせて、できるだけ胸を反らせて、重なり合って短縮した骨片を整復します。次いで包帯を使用する8字帯固定法や、専用の鎖骨バンドなどで固定します。
固定期間は乳幼児では2〜3週間、小中学生では4〜6週間程度で、低年齢児ほど短くてすみます。
応急処置はどうするか
腕や肩を動かすと痛みが強まるので、三角巾などで腕を体幹に固定します。