外傷

眼球破裂

がんきゅうはれつ
Globe rupture

初診に適した診療科目:眼科

分類:外傷 > 顔面外傷

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どんな外傷か

 眼球破裂は、眼球に強い鈍的あるいは鋭的外力がはたらき、角膜や強膜が破裂した状態です。

原因は何か

 交通外傷、労働災害、ケンカ、スポーツなどの外傷時に強い外力が眼球に加わった際に生じます。

症状の現れ方

 受傷直後から生じる視力の低下、充血、浮腫、眼痛などです。孔があいた眼ではない反対の眼に影響が出ることもあるため、注意が必要です。

検査と診断

 問診により受傷した際の状況や原因を詳しく説明してもらいます。視力・眼圧・細隙灯顕微鏡検査(隅角検査を含む)、超音波検査、CT検査などで眼球破裂の場所、異物の有無、合併症の有無を確認し、手術方法を決定します。

治療の方法

 穿孔創が小さいようなら治療用コンタクトレンズを使用します。穿孔創が大きい場合は抗生物質の点滴などを行いながら、局所麻酔、あるいは全身麻酔下で強膜、角膜縫合術を行います(図16)。

 外傷の程度、手術の難しさ、感染の有無、視機能の有無などにより白内障手術、硝子体手術などを同時に行う場合と、時期をずらして行う場合があります。眼球破裂は緊急手術の対象であり、まずは眼球内容が脱出した状態を早急に修復しなければなりません。

(慶応義塾大学医学部眼科学教授 坪田一男)

(東京歯科大学市川総合病院眼科 鹿島みのり)

図16 角膜裂傷に対する縫合図16 角膜裂傷に対する縫合