外傷
外傷性てんかん
がいしょうせいてんかん
Post-traumatic epilepsy
分類:外傷 > 頭部外傷
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頭部CTで脳挫傷などの脳組織の損傷が認められる時や、脳の損傷による症状がある場合に、外傷性てんかんを起こす可能性が高いと考えられています。
外傷性てんかんの発生頻度は、入院を要した頭部外傷患者の5%以下、昏睡状態の重症頭部外傷では15〜35%で、発症する場合は受傷後1年以内で約50%、2年以内で80%程度と報告されています。
コラム「外傷性てんかんの予防」も参照してください。
外傷性てんかんの予防
頭部外傷後のてんかんのうち、外傷が原因の場合を外傷性てんかんと呼びます。治療には通常、抗てんかん薬(アレビアチン、フェノバールなど)の注射や内服が行われます。治療的投与と予防的投与の2つがあり、実際はほとんどの場合が予防的投与です。
治療的投与とは、頭部外傷後の脳が最も不安定な受傷後1週間を過ぎてから、実際にてんかんの発作を起こした場合(晩期てんかん、あるいは狭義の外傷性てんかん)に抗てんかん薬を投与することをいいます。予防的投与は、受傷後1週間を過ぎてからは1度もてんかん発作を起こしていない場合に投与することです。
抗てんかん薬の予防的投与の期間は、日本の治療ガイドラインでは受傷後3カ月、重症脳損傷がある場合は2年をめどとする、とされています。投与中止の判断は、症状としててんかん発作を起こしていないことと、脳波検査の所見を参考にします。