中毒と環境因子による病気

光化学スモッグ障害

こうかがくすもっぐしょうがい
Photochemical smog disorder

初診に適した診療科目:内科

分類:中毒と環境因子による病気 > 環境因子による病気

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どんな病気か・原因は何か

 光化学スモッグは、風速が小さく大気の状態が安定していて、正午前後に2時間以上の強い日射があり、気温が24℃以上である場合に発生しやすくなります。したがって、光化学スモッグは、夏の暑い正午前後によく発生します。

 光化学スモッグの本態は、光化学オキシダント(Ox)と呼ばれるものです。光化学オキシダントは、大気中で窒素酸化物と炭化水素が太陽光(主に紫外線)により光化学反応を起こすことによって生成されます。光化学オキシダントとは、酸化力の強いオゾンやアルデヒド、パンなどの総称ですが、その主成分(90%以上)はオゾンです。光化学オキシダントによって、眼や気道粘膜、皮膚などの刺激症状が引き起こされます。

症状の現れ方

 眼やのど、皮膚などを刺激し、眼の異物感、痛み、流涙、のどの痛み、咳、皮膚の発赤などが現れます。重症例では、手足のしびれ感や頭痛、めまい、発熱、嘔吐、呼吸困難などがみられることもあります。また、植物などにも被害を及ぼします。

治療の方法

 対症療法が中心です。洗眼やうがい、皮膚の洗浄などが必要です。重症の場合は、酸素吸入を行うこともあります。

病気に気づいたらどうする

 軽症例では、洗眼やうがい、皮膚の洗浄を行えば心配ありません。中等から重症の場合は、洗浄やうがいを行ったあと、内科を受診してください。

(東京慈恵会医科大学環境保健医学講座教授 柳澤裕之)