皮膚の病気

結節性硬化症(プリングル病)

けっせつせいこうかしょう(ぷりんぐるびょう)
Nodular sclerosis (Bourneville-Pringle disease)

初診に適した診療科目:脳神経外科 皮膚科 形成外科

分類:皮膚の病気 > あざと母斑症

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どんな病気か

 常染色体優性遺伝といわれています。皮膚の変化としては、主に顔面に数㎜までの丸く盛り上がって光沢のある、皮膚と同じ色から淡紅色の丘疹が多発します。また体には皮膚からぶらさがったような軟らかい腫瘍ができたり、一見、なめした革のような表面のやや硬い腫瘤ができたりします。爪ではその周囲にやや紅く少し硬い結節(塊)ができます。また最初に現れる症状として、体のところどころに脱色素斑ができます。

 内臓の病変としては、中枢神経系では知能障害、てんかんが症状として出てくることがあり、脳には硬化巣がみられ、結節性脳硬化症と呼ばれます。腎臓に腫瘍ができたり、嚢腫腎となったり、眼底腫瘍ができたり、そのほかの内臓の病変も伴うことがあります。ただこれらの変化はすべて出てくるわけではなく、その程度もさまざまです。

検査と診断

 皮膚の変化をみた時にこの母斑症を考え、内臓と脳の検査(X線、CT、MRIなど)を行います。皮膚の病変は生検で病理組織診断を行います。また同様の症状がある家族の有無も診断の助けにはなりますが、周囲の家族に症状のないことも時にみられます。

治療の方法

 遺伝的疾患なので根本的な治療はなく、検査で明らかになった病変に対してそれぞれ対応します。皮膚の病変は整容面(見た目)から考えて、治療の希望があれば外科的に対処します。

病気に気づいたらどうする

 顔面に小さな丘疹が多発したり、その他の部位に皮膚変化がみられる場合は、専門医に相談してください。また、てんかん発作を起こす場合もあり、早めに脳の検査を行うことをすすめます。ただ症状には個人差があり、整容面以外はとくに症状がない場合もみられ、経過はさまざまです。

(産業医科大学病院形成外科診療科長・准教授 安田 浩)