皮膚の病気

太田母斑

おおたぼはん
Ota nevus

初診に適した診療科目:皮膚科 皮膚泌尿器科

分類:皮膚の病気 > あざと母斑症

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どんな病気か

 頬部を中心とした顔面(眼の周囲がほとんど)の片側、時に両側に青色からやや褐色の小さい点が集まって斑をつくっています(図71上)とくに女性に多くみられます。出生直後から目立つ場合と、思春期ころに目立ってくる場合とがあります。時には眼球にも青色の色素沈着がみられます。日本人に比較的多くみられるタイプです。たまに肩から上腕部に同じような青色の斑がみられる場合もあります(伊東母斑)。

治療の方法

 部位や皮疹の様子から診断は容易です。

 見た目が気になることが多く、化粧品(カバーマーク・資生堂など)で隠す、ドライアイスをあてる、薄く削るなどの方法がありましたが、最近ではレーザー(Qスイッチルビーレーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザー)照射でかなり色調が改善し(消失例もある)、レーザーのよい適応疾患になっています(図71下)。太田母斑に対するレーザー療法は健康保険が適用されます。眼球の色素斑はレーザー照射ができないので、現在は治療法がありません。

病気に気づいたらどうする

 小児期〜思春期で顔面に青あざができればこの疾患とみてよいでしょう。整容面(見た目)の問題が主になるので、気になる場合はレーザーを設置している施設で相談してください。小さいうちのほうがレーザーの効果は高いのですが、治療には痛みも伴うので相談してください。

(産業医科大学病院形成外科診療科長・准教授 安田 浩)

図71 太田母斑図71 太田母斑