皮膚の病気

脂腺母斑

しせんぼはん
Nevus sebaceus

初診に適した診療科目:皮膚科 形成外科 皮膚泌尿器科

分類:皮膚の病気 > あざと母斑症

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どんな病気か

 生まれつき頭部から顔面(ほとんど頭部)にかけてできるあざの一種で、成長とともに第1〜3期に分けられます。

 生後から思春期ころまでは、黄色調の少し平らに盛り上がった表面がざらざらした局面があり、頭の場合は脱毛斑となって気づくことが多いようです(第1期、図65)。思春期ころになるとその面が次第にいぼ状に盛り上がることがあり、髪を洗った時に出血したり、散髪がしにくくなったりします(第2期)。またその上に、とくに成人以降にまったく別の皮膚腫瘍ができる(第3期、図66)ことがあります。皮膚腫瘍は時に悪性のこともあり、十分注意が必要です。

 以前は、この二次的に発生する皮膚腫瘍は悪性が多いといわれていましたが、最近では良性腫瘍が多いという考えに変わってきています。それでも悪性のこともあるので注意は必要です。

 生後初期(第1期)は黄色調が弱いと一部脱毛斑だけのように見えることもあります。まれに、頭の皮膚が一部欠損して生まれ、その跡が瘢痕になる先天性皮膚欠損症があります。この場合に、出生直後は本症との区別に迷うことがありますが、経過をみれば診断はつきます。

治療の方法

 他の皮膚腫瘍の発生素地になる可能性があり、またそのままでも最初平らであったものが次第にいぼ状になっていくことがあるので、適当な時期に手術で切除するほうがよいでしょう。ただ前述したとおり二次的に発生する腫瘍は良性であることが多いという考えもあるので、予防的切除に対して、以前よりは消極的な医師もいます。

 手術は成人では頭の皮膚の緊張度が高まり、わずかな幅を切除しても縫合が困難なこともあり、大きな傷ができる可能性があります。

 これに対し小児期では皮膚が軟らかく、十分縫合できるので、結果として小さな傷ですむ傾向があります。しかし、子どもがあまり小さいと短時間の手術でも全身麻酔(数日の入院が必要)が必要になるので、手術の時期については担当医とよく相談します。待てそうなら小学生ころに夏休みなどを利用して局所麻酔、外来通院で行うのもよいでしょう。

病気に気づいたらどうする

 頭から顔面にできた黄色っぽいあざをみたら皮膚科、形成外科に相談してください。

 予防的切除を行うのか、それとも二次的に腫瘍ができてから切除を考えるのかなど、十分に相談してください。

(産業医科大学病院形成外科診療科長・准教授 安田 浩)

図65 頭の脂腺母斑(小児)図65 頭の脂腺母斑(小児)

図66 脂腺母斑(75歳、女性)図66 脂腺母斑(75歳、女性)