皮膚の病気
サルコイドーシス
さるこいどーしす
Sarcoidosis
初診に適した診療科目:皮膚科 眼科 内科 皮膚泌尿器科
分類:皮膚の病気 > 代謝異常、形成異常などの皮膚病
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どんな病気か
全身性の肉芽腫性疾患のことです(肉芽腫についてはコラム)。
原因は何か
原因は不明です。ツベルクリン反応の減弱がみられるので、何らかの免疫異常が関わっている可能性はあります。
症状の現れ方
数年の経過で、異なる臓器の症状が出ることもあり、病気の進行は一定ではありません。
●皮膚サルコイドーシス
皮膚サルコイドーシスだけの場合もあります。日本では、結節型(大結節型、播種状小結節型(苔癬様型を含む))、局面型、びまん浸潤型、皮下型の4つに分け、ほかに多くの特殊型があります。
結節型は、5㎜以上の赤色ないし黄色の結節が数個現れます。治ったあと、褐色の萎縮性局面になります。丘疹型(小結節型)は、1〜5㎜の半球状、黄褐色から赤褐色、紫色の丘疹が、数個から数百個、顔面から四肢伸側に生じ、くっつき合って、紅斑局面になります。
●瘢痕浸潤
長期にわたってあった膝などの傷が、紫色に盛り上がります(ケロイド様)。
皮下型は四肢に持続する皮下結節で、圧痛のある時もあります。外傷後、局所サルコイド反応がみられます。脱毛は、サルコイドにより頭部や脛によく発生します。
結節性紅斑は若い女性に多く、初発症状のことがあります。
凍瘡様狼瘡は、鼻、頬、耳、手、指に、青赤色から紫色の結節ないし局面が生じます。
検査と診断
肺病変:半数に呼吸器症状がみられ、半数は症状が残ります。実質内肉芽腫、線維化と両肺門部のリンパ節腫脹(BHL)がみられます。
心病変:心電図の異常、とくにブロックがみられます。
眼病変:ぶどう膜炎や網膜脈絡膜炎、結膜炎、視神経障害がみられます。
検査ではACE、リゾチーム、カルシウムの上昇、ツベルクリン陰性を示します。皮膚、その他の組織所見として、非乾酪性類上皮細胞集団と封入体をもつ巨細胞、その周囲を少数のリンパ球が取り囲む像がみられます。
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会による診断の手引き(2006年)が参考になります。
治療の方法
全身症状があれば、ステロイド薬を内服(1日30〜40㎎)します。70%は、自然に落ち着きます。
病気に気づいたらどうする
皮膚科、内科、眼科を受診します。
肉芽腫性炎症
生体のさまざまな組織反応のなかで、組織球の密な浸潤が組織学的に証明されれば、肉芽腫と診断します。おおまかに、中心に乾酪壊死(チーズ=乾酪に似た黄白色で乾燥性の壊死)を伴うものを類結核性肉芽腫、壊死のないものをサルコイド肉芽腫といいます。
さまざまな病因により生じますが、大きく分けて感染性のものと非感染性のものとがあります。
感染性では、結核(乾酪壊死)、ハンセン病(神経周辺の肉芽)、梅毒(形質細胞をもつ)、猫ひっかき病(大きな肉芽)、非定型抗酸菌症(プール肉芽腫症など)があげられます。ほかに免疫、全身状態などにより、真菌、細菌、ウイルスでも肉芽腫性炎症を起こすことがあります。
非感染性肉芽腫の異物肉芽腫は、シリカ(タルク(手術手袋の粉)、スレート、レンガ、コールの成分、シリカの吸入など)、ベリリウム(全身性ベリリウム症)、ジルコニウム(デオドラント剤、腋窩に発生)で起こります。ウニによる刺傷、脂肪(アテローマ破裂による)、入れ墨によって引き起こされることもあります。
サルコイドーシス、肉芽腫性口唇炎、環状肉芽腫、脂肪類壊死症、サルコイド反応なども非感染性肉芽腫に入ります。