皮膚の病気
弾力線維性仮性黄色腫
だんりょくせんいせいかせいおうしょくしゅ
Pseudoxanthoma elasticum
初診に適した診療科目:皮膚科 眼科 内科
分類:皮膚の病気 > 代謝異常、形成異常などの皮膚病
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どんな病気か
弾力線維の変性(組織が壊れる)により、皮膚、眼、血管などの強度が障害される病気で、先天性の遺伝性疾患です。
原因は何か
ABCトランスポーターと呼ばれる遺伝子の異常が原因と考えられています。
症状の現れ方
肘窩、膝窩、腋窩、側頸部、へそなどの皮膚、また口腔、腟、肛門の粘膜に、1〜3㎜の黄色丘疹が線状または網状に集まった形で現れます。毛をむしった鳥の皮のようだといわれます。多くは20代で発症します。加齢とともに皮膚は軟らかくなり、しわが目立ち、垂れ下がってきます。
眼の症状としては網膜の色素線条(すじ)が特徴的です。両側にでき、20〜40歳で発見されます。ほかに、眼底出血、脈絡膜炎も起こります。
心・血管系の症状としては、末梢動脈の狭小化・閉塞、動脈波の減弱、間欠性跛行、腎動脈病変による高血圧、狭心症や心筋梗塞症状も起こります。ほかに、脳血管障害(けいれん、くも膜下出血)、消化管梗塞、肺、尿路症状の報告もあります。
検査と診断
眼の網膜の色素線条が10割近くに認められます。心臓には心電図の異常、末梢動脈の石灰沈着、血管狭窄がみられます。真皮中下層の弾性線維断裂、カルシウム沈着があります。
治療の方法
皮膚の症状から本症を疑って診断を確定させることは、眼、心疾患の早期発見につながって予後に関係します。
経過は慢性で、加齢とともに現れるため、眼科・内科的フォローアップが重要です。皮膚は美容的治療になります。眼の症状については、早期発見による経過観察およびレーザー治療で、失明を防ぎます。
病気に気づいたらどうする
皮膚、眼科、内科を受診します。