皮膚の病気
腸性肢端皮膚炎
ちょうせいしたんひふえん
Acrodermatitis enteropathica
初診に適した診療科目:小児科 皮膚科 皮膚泌尿器科
分類:皮膚の病気 > 代謝異常、形成異常などの皮膚病
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どんな病気か
亜鉛の吸収障害によって起こる疾患で、先天性のものと後天性のものとがあります。体内には300以上の亜鉛含有酵素があることからもわかるように、亜鉛は生体にとって非常に重要な金属のひとつです。亜鉛の欠乏は皮膚の障害のほかに、免疫T細胞機能不全、脂肪酸代謝不全なども起こします。
原因は何か
遺伝性の場合は、常染色体劣性の亜鉛の吸収障害があります。
後天性では、高カロリー輸液、未熟児、神経性食欲不振症、潰瘍性大腸炎、クローン病、肝硬変を伴う慢性アルコール中毒、消化管切除などによって起こります。また、ウィルソン病にペニシラミン療法を行った時などにもみられます。
症状の現れ方
遺伝性の場合は、肢端皮膚炎、脱毛、下痢などの症状がみられます。ミルク乳児なら生後数日〜数週間後、母乳なら離乳期の発症が多くみられますが、6歳までの幼児にみられる病気です。成長、精神障害も伴います。
そのほかは後天性のものと症状は同じで、四肢先端、開口部に、丘疹、小水疱、膿疱を伴う紅斑、びらん、環状鱗屑、口内炎、爪の変形、脱毛、角膜炎などの症状がみられます。ブドウ球菌、カンジダの二次感染がよく起こります。下痢は、軽度もしくはない場合もあります。
消化不良、異化亢進(代謝エネルギーを得るための異化(消費)が増えている)を伴う四肢末端皮膚炎がみられた場合は、後天性の亜鉛欠乏が疑われます。
検査と診断
血清亜鉛が低値(8〜20μg/dl)で、血清アルカリフォスファターゼも低値です。貧血も現れます。皮膚組織では表皮角化細胞が変性します。
区別すべき疾患には、アトピー皮膚炎、脂漏性湿疹、乾癬、カンジダ感染症、グルカゴノーマがあります。
治療の方法
硫酸亜鉛を1日200〜400㎎投与します。遺伝性のものでは、一生内服を続ける必要があります。1週間で下痢が止まり、1カ月程度で全快します。
精神障害は、亜鉛投与後1〜2日以内に改善するといわれます。
病気に気づいたらどうする
皮膚科、小児科を受診します。