皮膚の病気

類乾癬

るいかんせん
Parapsoriasis

初診に適した診療科目:皮膚科 皮膚泌尿器科

分類:皮膚の病気 > 炎症性の角化症

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どんな病気か

 類乾癬とは、(尋常性)乾癬に似ていて乾癬でないという意味です。乾癬との大きな違いは、発疹部に集まっている白血球のタイプの違いで、発疹を表面から見ただけではなかなか区別はつきません。

 原因はいまだはっきりとしていません。

症状の現れ方

 発疹の大きさにより、滴状類乾癬と局面状類乾癬に分類されています。

 滴状類乾癬は、径1㎝程度の紅い発疹で、やや盛り上がったものもあり、表面がガサガサして垢をもちます(図29)。新しい発疹と古い発疹が混在してみられ、古いものは色素沈着や白斑を残します。通常はかゆくも痛くもありません。

 局面状類乾癬は、径5㎝くらいの滴状より大きな発疹です。発疹が大型で皮膚の萎縮がある場合は、悪性リンパ腫(菌状息肉症)に移行していることもあるため注意が必要です。

検査と診断

 乾癬の場合と同じように、診断は特徴的な発疹とその分布、経過から判断します。乾癬やジベルバラ色粃糠疹と区別が必要です。局面状類乾癬では悪性かどうかを判断するために、発疹の一部を切って顕微鏡で調べる組織検査を行います。

治療の方法

 外用薬にはステロイド薬が多く用いられています。治りにくい場合には、光線療法(PUVA療法)も行います。

病気に気づいたらどうする

 皮膚科専門医のいる医療機関を受診し、診断と治療を受けたほうがよいでしょう。重症の場合には入院治療を行うこともあります。

関連項目

 炎症性の角化症の全項目、菌状息肉症

(島根大学医学部附属病院皮膚科講師 金子 栄)

図29 滴状類乾癬図29 滴状類乾癬