皮膚の病気
先天性表皮水疱症
せんてんせいひょうひすいほうしょう
Epidermolysis bullosa hereditaria
初診に適した診療科目:皮膚科 皮膚泌尿器科
分類:皮膚の病気 > 水疱症、膿疱症
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どんな病気か
先天性表皮水疱症には①単純型、②接合部型、③栄養障害型の3つの病型が含まれていて、重症度や治り方もだいぶ違います。ひとまとめにして共通する特徴としては、①親から子どもへと伝わっていく病気である、②軽い刺激で水疱を生じる、③原則として乳児、幼児に発症する病気で、こすれやすいところに水疱ができる病気です。
また、遺伝性以外のもの、たとえば“とびひ”のような感染症などは、水疱ができてもこの病気には入りません。
原因は何か
根本的な原因は、遺伝子の変異です。ケラチン、プレクチン、ラミニン、インテグリン、Ⅶ型コラーゲン、BPag2などの遺伝子の変異で病気が起こりますが、水疱は機械的な刺激によって生じます。
症状の現れ方
病型によって千差万別といってもいいくらいです。共通する特徴は、生まれた時から、または生まれて間もないころから、こすれたりぶつかったりするところに水疱が生じることです。
検査と診断
確定診断には、①皮膚をとって、光学顕微鏡で調べる(皮膚生検)、②同じく、蛍光抗体法で欠損している蛋白を調べる(皮膚生検)、③同じく電子顕微鏡で調べる(皮膚生検)、④遺伝子診断が必要です。④ができれば、②③は必要ではありません。
治療の方法
遺伝子治療はまだ行われていないので、対症療法になります。
対症療法には、最重症の患者さんに表皮移植を行うような、ごく限られた施設のみで可能な治療法から、通常の潰瘍に対する一般的な治療、たとえば軟膏療法などまで広くあります。
病気に気づいたらどうする
こすったり、ぶつけたりすることによって水疱が生じる病気ですから、保護がいちばん大切です。