皮膚の病気

老人性紫斑

ろうじんせいしはん
Purpura senilis

初診に適した診療科目:皮膚科 内科 皮膚泌尿器科

分類:皮膚の病気 > 血行障害による皮膚病

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どんな病気か

 60歳を超える高齢者の両前腕から手背に好発する暗紫紅色出血斑で、加齢とともに皮膚の弾力がなくなってきたために、わずかな打撲でも不規則な形をした斑状の紫斑ができるようになります。

原因は何か

 老化に伴う皮膚結合組織の基質的な変化が指摘されています。つまり、真皮の厚さが減り、膠原線維や弾力線維が萎縮して、毛細血管の抵抗力が減ります。このため、機械的刺激により簡単に血管壁に障害が生じて内出血を起こします。

症状の現れ方

 外的刺激を受けやすい両前腕および手背に暗紫紅色調のしみ出したような斑状の紫斑がみられます。初めは赤紫になっていますが、そのうちに橙黄色になり、消えていきます。一般的に痛みなどは伴わないことが多いのですが、ごくまれに刺すような痛みで発症することもあります。

検査と診断

 肝機能、出血凝固系検査などを行い、全身的な異常の有無に注意します。

治療の方法

 数週間で退色し、消えていくので治療の必要はありません。機械的刺激により発症するので、手袋や腕抜きなど皮膚の保護を考慮するようにします。

病気に気づいたらどうする

 副腎皮質ステロイド外用薬を使った場合にも同様のステロイド紫斑を生じることがあるので、一度は最寄りの医療機関で相談してみることをすすめます。

(三豊総合病院皮膚科医長 妹尾明美)