皮膚の病気

アナフィラキシー

あなふぃらきしー
Anaphylaxis

初診に適した診療科目:内科

分類:皮膚の病気 > じんま疹と類似の皮膚病

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どんな病気か

 アナフィラキシーは即時型アレルギーの症状が複数の臓器にみられる病態で、急激に全身の血管の拡張を来すとショックになり、時には死に至ることもあります。

原因は何か

 アナフィラキシーの原因抗原は食物、昆虫の毒、薬剤など多岐にわたりますが、患者本人が認識しないほどの極微量の抗原の侵入によって重篤なアナフィラキシー症状が引き起こされることも少なくありません。

症状の現れ方

 症状は、口内異常感、咽頭部狭窄感、悪心に続き、全身のじんま疹、腹痛などを生じます。血圧が低下して意識消失を起こす状態をアナフィラキシーショックといいます。

検査と診断

 食物が原因となる場合では、患者は通常複数の食材を摂取しているため、原因食品をすぐには同定できません。また、食物依存性運動誘発アナフィラキシーという特殊な病型では、原因食品を摂取したのみでは症状がみられず、運動などの二次的要因が加わって初めて発症するため、原因食品の同定がさらに難しくなります。

 原因抗原の同定には、まず詳しく問診をして原因の見当をつけます。それに基づいて皮膚テスト、血液検査にて抗原と反応する免疫グロブリンE(IgE)ができていることを確認します。現状ではこれらの検査の精度は必ずしも高くない場合もあり、問診と併せて診断します。

治療の方法

 ショック状態では、エピネフリンの筋肉内注射とともに血管確保、気道確保を行ないます。症状の遷延予防にステロイド静脈内投与が併用されます。

 アナフィラキシーの予防には、根本的な治療法が確立されていないため、原因をつきとめて避けることが必要となります。

病気に気づいたらどうする

 エピネフリンの自己注射キットを持っている方は、大腿部に使用します。その後、医療機関を受診することが必要です。

(島根大学医学部皮膚科教授 森田栄伸)