食道・胃・腸の病気

ポイツ・イェガース症候群

ぽいつ・いぇがーすしょうこうぐん
Peutz-Jeghers syndrome

分類:食道・胃・腸の病気 > 小腸・大腸の病気

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 皮膚粘膜の色素沈着と消化管の過誤腫性ポリポーシスを合併する遺伝性の病気です。がんの高危険群とされており、消化管がん、卵巣がん、子宮がんなど多臓器にわたってがんが高率に合併します。

 ポリープは、胃から大腸までの消化管に発生しますが、とくに小腸が好発部位で、しばしば腸重積を合併し、イレウス(腸閉塞)症状や腹痛を起こします。そのほか血便、ポリープの肛門脱出を認めることがあります。

 色素沈着は口唇、口腔粘膜、四肢末端部に米粒大の黒褐色の色素斑として認められます。

 治療は、大きなポリープに対して内視鏡的ポリペクトミー(ポリープ切除術)を行います。小腸ポリープについては、従来は開腹下で切除していましたが、最近では小腸内視鏡でポリープ切除することが多くなっています。しかし、腸重積と診断されれば手術の適応となります。

(公立学校共済組合九州中央病院病院長 飯田三雄)