口・あごの病気

地図状舌

ちずじょうぜつ
Geographic tongue

初診に適した診療科目:歯科口腔外科

分類:口・あごの病気 > 舌の病気

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どんな病気か

 舌のところどころに、あたかも地図のような模様ができることから、このような名前がついています(図14)。小児や若い女性に多くみられます。

原因は何か

 原因についてはよくわかっていません。ビタミンB群の不足やストレスなどが関係している場合もあるとされているので、バランスのとれた食事や、過労を避けた規則正しい生活を心がけることが大切です。

症状の現れ方

 最初は舌の一部に円形または楕円形で、中央部がうすい赤色、周辺が白色の斑ができます。それらが次第に大きくなり、やがて隣り合った斑同士が融合して、全体として地図のような模様を形づくるようになります。この地図状の模様は、日によって変化するのが特徴で、数週間で消えてしまう場合もありますが、数カ月〜数年間にわたってみられることもあります。

 自覚症状はほとんどないか、あっても少ししみる程度です。時に溝状舌を合併していることがあります。

治療の方法

 自覚症状がない場合は特別な治療の必要はありませんが、一度歯科医師の診察を受けておくと安心でしょう。

 食べ物がしみたりする場合は、刺激物を避け、口腔用のステロイド軟膏(アフタゾロン口腔用軟膏など)を用います。また、ビタミンB群の内服や、うがい薬でよくうがいをして口腔内を清潔に保つことにより、症状が改善する場合も多くみられます。

(鶴見大学歯学部口腔内科学講座教授 里村一人)

図14 地図状舌図14 地図状舌