耳の病気

外リンパ瘻

がいりんぱろう
Perilymphatic fistula

初診に適した診療科目:耳鼻咽喉科

分類:耳の病気 > 内耳の病気

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どんな病気か

 中耳と内耳の間にある内耳窓(正円窓と卵円窓)に何らかの原因により穿孔が生じた(小さな穴があく)ため、難聴、めまいを発生する病気です。

原因は何か

 重い物を持ち上げる、運ぶなどの力仕事をする、トイレでいきむ、鼻をかむ、海に潜るなど、髄液圧や中耳圧が急激に上昇する場合に内耳窓に穿孔が生じることが知られています。そのほか、頭部外傷や飛行機旅行も原因になります。

症状の現れ方

 蝸牛症状(難聴、耳閉感、耳鳴り)だけの場合、前庭症状(めまい、平衡障害)だけの場合、蝸牛・前庭症状がみられる場合と、いろいろなタイプがあります。

 これらの症状は原因と同時に突然起こることもありますが、数日かけて悪化する場合や症状が改善・悪化を繰り返す場合もみられます。このように、症状の現れ方は一様ではなく、個人差があるのが特徴です。なお、発症時にパチッという音(ポップ音)が聞こえることがあります。

検査と診断

 現時点では、手術をして内耳窓に穿孔を確認する以外に確実な診断法はありません。しかし、原因の項で示したような内耳窓に穿孔を生じる可能性のある行動、環境のあとに蝸牛症状や前庭症状が生じた場合、発症時の特徴的なポップ音が確認された場合、水の流れるような特徴的な耳鳴りが現れる場合、外耳や中耳に圧変化を加えた時にめまいを訴える場合には、外リンパ瘻の存在が疑われます。

治療の方法

 安静にするなどの保存的療法により治ることもあります。ただし、めまいが激しい場合、難聴が進行する場合、頭部外傷が原因の場合には、早急に中耳の手術(鼓室開放術)を行い、内耳窓の穿孔の存在部位を確認後にこれを閉鎖します。

病気に気づいたらどうする

 外リンパ瘻が疑われた場合、できるだけ安静を保ち、原因となる動作や運動を避け、耳鼻咽喉科を早急に受診することが必要です。

(富山大学耳鼻咽喉科頭頸部外科学准教授 將積日出夫)