耳の病気

肉芽腫性鼓膜炎

にくげしゅせいこまくえん
Granulomatous myringitis

分類:耳の病気 > 中耳の病気

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 細菌感染が原因といわれていますが、まだはっきりしません。痛みは軽度ですが、がんこな耳だれが続きます。耳の詰まった感じや耳鳴りを訴える人もいます。

 顕微鏡で観察すると20%に小穿孔(穴)を認め、中耳の慢性炎症の影響を受けていることがあります。鼓膜を観察すれば診断は簡単ですが、中耳疾患を見逃さないよう、疑わしい場合は側頭骨CT検査なども行われることがあります。

 治療は耳だれを調べて起炎菌を検出し、その感受性検査の結果から、適切な抗生剤を耳浴、点耳などで局所投与します。

 これで効果がない場合には肉芽を切除し、トリクロリールなどの薬品で焼灼(焼くこと)する場合もあります。薬物療法のみでなく、適切な焼灼などの局所処置が重要で、週1・2回根気よく繰り返すことで徐々に軽快してゆきます。

(埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科教授 菅澤 正)