眼の病気

角膜異物

かくまくいぶつ
Corneal foreign body

初診に適した診療科目:眼科

分類:眼の病気 > 眼の外傷

広告

広告

どんな病気か

 角膜異物とは、角膜に異物が付着あるいは刺さった状態をいいます。

原因は何か

 原因となる異物としては飛んできたゴミ、鉄粉、植物の種子などさまざまな小物体があげられます。表面に付着しただけの異物は取り除くだけで問題はありませんが、異物が角膜に刺さると感染を起こす場合があり、感染予防が大切です。また鉄粉が角膜に入ると錆が出るため除去する必要があります。

症状の現れ方

 角膜は非常に痛覚が発達しているため、異物が付着した瞬間に異物感、眼痛、流涙(涙が流れる)などの症状が現れます。

検査と診断

 疼痛が強い場合には、まず点眼麻酔(0・4%塩酸オキシブプロカインあるいは、2%塩酸リドカイン)を行います。そのあと静かに両眼をあけさせ、ペンライトや懐中電灯で角膜を照らします。異物は角膜の表面に小さな物体としてみられます。少し時間がたっている場合には、異物の周囲の角膜は浮腫のためやや白く見え、その近くの結膜に充血がみられます。

治療の方法

 治療としては、異物を除去し、同時に感染の予防を行います。異物の除去方法は、まず十分に点眼麻酔を行い、その後洗眼や水道水などで静かに洗い流します。

 これで取り除けない場合には綿棒やティッシュペーパー、きれいなハンカチなどで軽くこするようにして異物を除去します。角膜に刺さっている異物は細隙灯顕微鏡下でていねいに除去しなければなりません。

 除去後は感染を予防するために抗菌薬の眼軟膏を入れ、眼帯を行い、必ず翌日の診察を受ける必要があります。汚染されている異物の場合にはとくに感染予防対策が大切で、時に抗菌薬の内服を行います。

 いったん感染を起こすと角膜潰瘍など重い合併症に進む危険性があるので、角膜異物を決して軽くみてはいけません。完治するまで眼科医の治療が必要です。

応急処置や予防対策はどうするか

 角膜異物は自覚症状がはっきりしているため、診断は簡単です。眼科医に行く前に、まず洗眼・洗顔、あるいは水道水、シャワーなどで異物の流出除去を図り、症状がなくならない場合には眼科医の診察・治療を受けることが大切です。

(昭和大学名誉教授 稲富 誠)