運動器系の病気(外傷を含む)

軟骨肉腫

なんこつにくしゅ
Chondrosarcoma

初診に適した診療科目:整形外科

分類:運動器系の病気(外傷を含む) > 骨軟部腫瘍

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どんな病気か

 骨肉腫に次いで2番目に多い、骨に原発(もともと生じるという意味)する悪性腫瘍で、発生原因は不明です。骨肉腫やユーイング肉腫は若い人に多い病気ですが、軟骨肉腫は40、50歳以降に多く発生します。

 軟骨を作る細胞ががん化したもので、大部分は悪性度が低く、時には顕微鏡で見た細胞の形や組織像からは良性の軟骨腫との区別がつかないこともあります。この場合にはX線像を参考に総合的に診断されます。悪性度が低いため大きくなる速度は比較的遅く、腫瘍の性格はおとなしいのですが、抗がん薬(化学療法)や放射線療法の効果がなく、手術が唯一有効な治療法です。

 最初から骨に悪性腫瘍として発生した一次性軟骨肉腫と、前に述べた骨軟骨腫(または多発性外骨腫)が悪性化した二次性軟骨肉腫に分けられます。二次性軟骨肉腫は年齢がやや若い傾向があります。

症状の現れ方

 軟骨肉腫は小さい時には痛みを伴わず、比較的ゆっくりとした速さで大きくなります。自分で気がつくような大きさになると痛みを覚えるようになります。

検査と診断

 X線写真で骨の破壊が確認されます。病変の存在する部の骨は拡大し、内部には石灰化がみられます(図48)。年齢とX線像で、骨肉腫との区別はつきやすいのですが、最終診断は組織診断によります。

 骨軟骨腫の悪性化は、表面にある軟骨帽が厚くなることです。腫瘤が大きくなっているにもかかわらず、X線写真で写る基部の骨の大きさが変わらない時には、手術などで組織の検査を行います。

治療の方法

 手術で周囲の正常組織を含めて切除します。化学療法や放射線療法の効果は、骨肉腫やユーイング肉腫のようにはみられません。

病気に気づいたらどうする

 ただちに骨軟部腫瘍専門の病院を受診しましょう。

(秋田大学医学部保健学科理学療法学講座教授 岡田恭司)

図48 軟骨肉腫図48 軟骨肉腫